Dessimis Pinot Grigio 2024 Vie di Romans

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ヴィエ・ディ・ロマンス

更新履歴 2027/08/01
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デッシミス・ピノ・グリージョ 2024 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/ピノ・グリージョ/辛口》

フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。

17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。

創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。

彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。

流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。

2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。

イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。

イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。

また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。

 ■2024年のビンテージ情報

 2024年は冷涼で湿潤な春と、暑く乾燥した夏が対照的に現れた気候の振れ幅
 の大きな年となりました。春先の豊富な降雨は育成を支える一方で、病害リ
 スクを高め、丁寧な管理が求められました。夏は高湿と水不足により樹にす
 とれすがかかりましたが、精密な灌水により健全なバランスを維持すること
 ができました。成熟は順調に進み、収穫はやや早めに開始。健やかな果実を
 収穫することができ、成熟したアロマと骨格のある美しい酸が特徴の、全体
 として調和とエレガンスに優れたビンテージとなりました。

 ■ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報

 西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
 情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
 ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。

 樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
 ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
 スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
 ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
 しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
 ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。

 なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
 ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
 のことです。

 ・タランソ  :ブルゴーニュタイプ
 ・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
 ・ダルジュ  :ボルドータイプ
 ・バロン   :ボルドータイプ

 ■CMC添加に関しての情報

 2024年ビンテージからCMC(カルボキシメチルセルロース)という食品添加物
 が添加されております。主な効果は酒石酸の結晶である酒石の発生を防ぐこ
 とだそうです。CMCは食品添加物として広く認められており(日本でもね)、
 適切な基準に従って添加されています。元々は、低温でワインに不要な物質
 (主に酒石)を取り除く方法をとっていましたが、この従来の方法では、ワ
 インに必要なアロマ成分も除去されているに感じ、CMCの添加に至ったそうで
 す。

海抜34mに位置する約9,3haのデッシミスの畑(少しだけ畑が広がったようです)。平均樹齢は27年となります。2024年8月27日と30日、9月の2日、3日に収穫。収穫されたブドウは、約8度に温度管理されたステンレスタンクでのコールドマセラシオンの後、16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで18日から22日間のアルコール発酵。マロラクティック発酵は施されず、澱と接触されたまま228Lのオーク樽で9ヶ月の熟成を経て2025年の7月21日から23日に瓶詰め。9ヶ月以上の瓶熟成期間を経てリリースされます。

アルコール度数は2009年が15.56度、2010年が14.21度、2011年が15.00度、2012年は15.23度、2013年は14.66度、2014年は13.20度、2015年は13.8度、2016年は14.92度、2017年は14度、2018年は14,94度、2019年は14,13度、2020年は14,90度、2021年は14,52度、2022年は14,81度、2023年は13,66度、2024年は13,48度となります。

数年間まではもっと赤味がかった色を持つピノ・グリージョでしたが、この数年は淡さを感じる薄いピンク色。スキンコンタクトによる色の抽出と思われがちですが、決してそうして色が付いているわけではないそうです。ピノ・ノワールの亜種のひとつであるピノ・グリージョが完熟すると、ブドウ果皮の色がしっかりと果汁に伝わり、スキンコンタクトをせずとも果汁に色が付くそうです。また、搾りたてのモストから酸化が進めば透明に近づくそうですが、ヴィエ・ディ・ロマンスでは酸化を嫌う為に搾りたて同様のピンク色が保たれるそうです。決してオレンジワインではありません。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのヴィエ・ディ・ロマンスのラベルですね。コルクは良質の5cmです。内壁との密着度が高いからか、最初に力をクッと入れるとすんなり抜けます。冷蔵庫キンキン温度、グラスはザルトのユニバーサル型。セルロイドなオレンジというよりも、少し赤に近い色合い。スプマンテの玉ねぎの皮の色(銅色)にも似た感じがありますが、なんらどうな、ローズヒップティーとか、ハーブティーでこれ系の色合いがあったように思います。夕張メロンと、ブラッドオレンジの風味が、このデッシミスのキモですが、2023年よりは随分と良い。ヴィエ・ディ・ロマンスらしい綿密な果実香に、それらが存在し、香りからも非常に厚みとなめらかさを感じます。どこかクリーミーに感じるのもヴィエ・ディ・ロマンスらしい。温度はかなり低めですが、香りはよく出ていますね。口に含みますと酸味が溶け込みまろやかなブラッドオレンジが主体。すでに(この低温でも)旨味があります。マンダリンオレンジ、まだ苦味は少なめな状態。度数はスルーした2023年よりもまだ低いですが、十分なボリュームがありますね。グラスの中で赤味が強くなったように思います。まあ、一応、白ワインですが、これをオレンジとは言いたくない。旨味に甘味があり、とてもおいしい。味わいは夕張メロンよりも、熟したブラッドオレンジが主体。北のワインなんだけど、南の料理が欲しくなるかもしれません。もちろん、青果のブラッドオレンジが用意できれば、それを使えばなんでもあいますね。時間経過とともに、さらに苦味と甘味が乗ってくるし、余韻も長くなる。ぜひ、この温度変化での豹変ぶりは味わって欲しい。上質なローストビーフ、ローストポーク、いやあ、ソースが決めてですね。フォンドボー、グレービーソース、和風でもなければ、デミでもないかな‥塩だけでもないと思う。にしの家はモトカノが鴨が苦手なので無理ですが、鴨とオレンジソース、なんなら、クレープ・シュゼット(コアントローの風味ね)とかアリなんじゃないでしょうか。柑橘‥レモンじゃなくてオレンジを使ったサラダでもいい(そこに鶏胸肉があってもいい)。チーズならミモレット、ウオッシュタイプもいいかもしれません。うん、そんなチーズとともに飲む方がいいかな。塩味と合わせるなら、サラミとか生ハムなんだけど、いいのがないねえ。注ぎ足す‥最初は色が薄い(濃い)んだけど、どんどん(さらに)濃くなるのが不思議。2023年は華麗にスルーしましたが、2024年は合格ですね。ロゼではないんだけれども、例えばレンテンナーノのフオーリ・ミスラとか好きなお客様にもぜひお試しいただきたい。フオーリ・ミスラは赤に近いロゼですが、こちらは赤に近い白(?)、まあなんてキワモノのワインなんでしょう。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはザルトのユニバーサル型。この2024年のデッシミスもアルコール度数は13度半ばなので、ユニバーサル型でしいいですね。もう1度度数が高いなら、ボルドー型などで。注ぎ立てから、すぐに色調に赤味が強くなるのもおもしろいところ。2024年は、夕張メロンは控えめ(ある)、ブラッドオレンジを始め、オレンジ、みかん系の風味が強めですね。黄桃やアプリコット、紅茶、色合いと相まって他の白品種とは違う複雑さがいいですね。ヴィエ・ディ・ロマンスらしいクリーミーさもありますが、柑橘の苦味と酸味があり、ダレずにおいしいですね。二日目はまとまりもありますし、適度な旨味もあります。低い温度からでも十分に楽しめますよ。いいですね、2023年はなんかぜんぜんダメだったのに‥。

温度が上がると尚更ブラッドオレンジの風味が増しおいしい。まあ、こんワインは唯一無二ですね。こんなワインは他にない。

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