Chianti Classico 2018 Poggio Scalette

トスカーナ州の赤 > Poggio Scalette

更新履歴 2020/03/29
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2,480円(税込)

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キャンティ・クラッシコ 2017 ポッジョ・スカレッテ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ/ミディアム》

醸造家として数々の生産者の作品を手掛けているヴィットリオ・フィオーレ氏‥イタリア醸造技術協会理事や、国際醸造家組合執行委員なども勤め、イタリアワイン界の重鎮であり、その功績は計り知れません。1978年、病気がちな妻の体調を気遣い環境のよいトスカーナに移住することを決意。また、これまでの経験と知識、理想を具現化するために自身のワインを造るべく畑を探し始め、ついに1991年、グレーヴェ・イン・キャンティ地区のルッフォリに理想の畑を見つけ出します。

1800年代後半、フィロキセラの害により、イタリアの畑は全滅しますが、その後‥第一次世界大戦後に初めて植えられたサンジョベーゼがあるこの畑を、当時の農夫達が「イル・カルボナイオーネ」と呼んでいたことから名付けられました。

そこに植わるサンジョベーゼは、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレと呼ばれるオリジナルのクローンで、樹齢70年を越える古樹が大事に育てられています。キャンティ・クラッシコエリアではありますが、その土壌は石灰やガレストロではなく、砂岩質や、砂質が主体で、水はけの良く、その標高の高さは、日夜の寒暖の差をもたらし、風が吹き込む独特の山肌に広がる畑は、夜9時になっても、葡萄は太陽の光を浴びながらも、涼しく、病気から葡萄を守るミクロクリマとなります。

1968年に生まれたのがヴィットリオの息子であるユーリ・フィオーレ。1992年にブルゴーニュのボーヌ醸造学校

「Beaune Technicien Supereur en Viticolture ed Oenologoe」

にて醸造課程を終了し、1993年から偉大なる父、ヴィットリオと共にポッジョ・スカレッテ働き始めます。そして現在は実質的にユーリが主導し、イル・カルボナイオーネのみならず新しいワインにも挑戦しています。2007年が初ビンテージというカベルネソーヴィニョン、メルロ、カベルネフラン、プチヴェルドを各25%混醸したカッポガットや、かつてはピンキオーリ専売だったメルロ100%のピアントナイア、シャルドネ100%となりリキアーリ。そして2009年からはキャンティ・クラッシコDOCGをリリースしています。

ポッジョ・スカレッテと言えば、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレとなりますね。もちろんこのキャンティ・クラッシコも、サンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレが100%使用されています。ただし、比較的樹齢の若い区画から‥とのこと。現在、ポッジョ・スカレッテが所有するブドウ畑は22ha‥その内、サンジョヴェーゼは15haとなり、そこからイル・カルボナイオーネとキャンティ・クラッシコのブドウが収穫されますが、その樹齢が80年の区画、40年の区画、10〜20年の区画と分かれており、どの区画のブドウもイル・カルボナイオーネにもキャンティ・クラッシコにもなる可能性を持っていますが、やはりイル・カルボナイオーネになるブドウはたいていが高い樹齢からのブドウとなるそうですが、収穫後、アルコール発酵とマロラクティック発酵が終了する月から12月後半の段階で試飲をして、最終的に振り分けられているそうです。

ポッジョ・スカレッテの畑の規模であれば、年間10万本ほどのワインの生産が可能。ながらこれまではその30%にあたる3万本のみのイル・カルボナイオーネを中心に、あとは極少量のワインばかりで残りの70%はバルクで販売していたわけですが、現在は25%の規模に相当する約2万5千本ほどのキャンティ・クラッシコをリリースしています。とはいえ、残り45%に相当する4万5千本相当は変わらずバルク売りのようですね。

標高350mから550mの西南西の畑は、砂質、砂岩質(水はけに優れた石だらけ)と、少々のガレストロ、泥質の土壌に、コルドーネスペロナートとグイヨで仕立てられた樹齢30年から35年のサンジョヴェーゼは、若い畑はhaあたり7,250本の高い植樹率、古い畑はhaあたり3,000本の植樹率となります。収穫されたサンジョヴェーゼはセメントタンクにて15日から18日間の醸しとアルコール発酵の後、マロラクティック発酵が施され、セメントタンクの中で約11ヶ月の熟成後、40ミクロンという非常に軽いフィルターで濾過された後瓶詰されます。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

ポッジョ・スカレッテらしいラベルデザインが踏襲されています。この鮮やかな赤がポイント色となるこのCCは好みの色使いです。2012年から新しいデザインのDOCGの帯封に変更されています。2011年の度数は14度でしたが、2012年から2014年は13度、2015年は13.5度、2016年は生産されず、2017年、この2018年は13度に戻っています。コルクはもっと頑張って欲しい4.5cm。例年、ポッジオ・スカレッテのサンジョヴェーゼ(・ラモーネ)らしい、深い色合い。ちなみにグラスはヴィノムのキャンティ型です。いつものスミレとアメリカンチェリーの皮、皮由来のスパイシーさ、ベリー系の香り。閉じ感はありませんが、まだ全開ではないかもしれませんね。

口に含みますと、ラズベリー、プラムなどの果実味が前面で、ミネラル推しではない。やさしく程よいボディ感があり、すでに旨味も感じられます。イガイガとするような酸ではなく、果実味にしっかりと溶け込んで行き届きてますね。終盤に、少し香ばしい樽の風味と甘味ある渋みが感じられ、舌に残る味、余韻も十分ですね。すぐにおいしい‥これ大事です。2017年はもう少し軽めに感じました。だからと言ってこの2018年もミディアムな重さの範疇ですが、終始旨味、甘味も感じ、飲みやすいですね。二杯目はなおさら酸味と果実味、旨味との融合とバランスがいい。すでにまとまってて、いきなりおいしい。

二日目もヴィノムのキャンティ型です。濃密なスミレと果実香。まろやかな果実味の中にも酸がイキイキしていますね。バランスもよく、飲みやすいですね。とてもおいしいです。初日同様に終盤にブドウのスパイス、渋味、余韻もやっぱり十分な長さがありますね。消費税の絡みで100円UPさせていただきましたが、十分なコスパ。旨味もあるミディアムボディ。おいしいです。

三日目もヴィノムのキャンティ型です。さらに馴染みを感じますが、旨味もありつつも酸味にメリハリもでてきました。ほんのりとスパイシーさの中に苦味があり、いいアクセント。果実味も深く適切なアルコールもあって飲みやすいですね。トマトが基本ですが、どこかほっこりとした小豆系の風味もありますので、豆と豚肉のトマト煮込みなんかいいかもしれません。単一品種にしては、複雑さも十分、やっぱりレベル高い造り手ですね。

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