Roero Arneis 2016 Bruno Giacosa
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ロエロ・アルネイス 2015 ブルーノ・ジャコーザ
《イタリア/ピエモンテ/白/アルネイス/辛口》
本筋はブルーノ・ジャコーザの本拠地であるネイヴェ‥つまりバルバレスコの銘醸。祖父カルロ、父マリオ‥そして現当主であるブルーノと三世代に渡り、その名声を築きあげてきました。
現在、自社で所有する畑は約20ha。過半数は買いブドウでワインを醸していますが、これは祖父カルロも、父マリオもブドウの仲買人も仕事だった歴史があるんですね。とはいえ、カルロ氏は自社での醸造も初めていたんですね。第二次世界大戦の戦中や戦後は、ボトルワインの市場がなかったために瓶詰めのみで量り売りをしていた時期もあるそうですが、1961年‥1929年生まれのブルーノ氏の名前を冠した"ブルーノ・ジャコーザ"が誕生しました。うーん、なんて孫思いのじいちゃんだったのでしょう‥と思うが、この地方では祖父の名前を継ぐのはよくあることのようですね。
今なお、買いブドウも使用していますが、仲買人の家系な歴史は、どこの畑が優れているのか、誰が栽培しているブドウが優れているのか‥熟知しているんですね。そんなブルーノ・ジャコーザのワイン達…実は、ラベルには二種類の表記があるんですね。
・(Casa Vinicola) Bruno Giacosa
契約農家の畑から購入したブドウで醸されるワイン。
・Az.Ag.Falletto di Bruno Giacosa
自社で所有する畑から収穫されたブドウで醸されるワイン。
こう書くと、後者の方が‥というイメージありますよね。しかし、そこは長年買いブドウでの醸造の歴史を持つブルーノ・ジャコーザ‥すべてはネイヴェの醸造所で醸造されますし、買いブドウと自社ブドウでの醸造方法に差はありません。もちろん買いであれ、自社であれブルーノ・ジャコーザのクオリティーに差はありません。
ロエロ地区の15軒の古くからな馴染みの契約農家から買い付けるアルネイス種もジャ
コーザの品質基準をクリアした良質なもの。16度から17度に温度管理されたステンレ
スタンクで25日間の醸しと発酵後、タンク内で4ヶ月ほどの熟成が施され瓶詰。2013
年、2014年13度、2015年とこの2016年は13.5度の表記となります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのボルドー型瓶に白地のラベル。さすがジャコーザ!は、このコルクをご覧頂ければすぐに判明します。良質の5cmのコルク、ホレボレしますね。グラスはヴィノムのキャンティ型でスタートです。透明度があり、少し金属的な輝きのあるレモンイエロー。2015年よりもセージなどハーブ系緑の要素は思ったよりも控えめ。柑橘系の果実香に白い花や、白い果肉果実の香りがうまく溶け込んでいます。果実味は丸そうですね。
口に含みますと、クリアかつ厚みのあるミネラルの輪郭。乾いた柑橘のピールと、濡れた柑橘果汁、酸味がシュッと通ってますね。塩味がありしっかりとドライにフィニッシュします。うん、そう、乾いた柑橘の白いピロピロ+酸味がアルネイスっぽい。余韻も十分で、味も長く続きます。
そう、実は味わいはしっかり。重いタイプではありませんし、高アルコールなエキスっぽさではないんですけどね。2015年同様、13.5度は過剰なアルコールを感じさせるものではないし、飲み疲れしない。酸って大事だねえ。ほんのりとした苦味、単一品種らしく香りの数は決して多くないのかもしれないが、五味‥六味‥それぞれがキチっと表現されている単一品種は十分に複雑に感じる。その酸味は?その苦味は?なにに例えれるか?(例えなくてもいい)を、リンクさせていくと、もっともっと複雑に感じることができる(複雑だからいいとは言うてない)。
二杯目は、黄色の花、柑橘香が前に、白い花は終盤になってきました。一杯目よりも確実に香りの情報量も多く、それは密度の高さ、そう、隙間があったんだと気付かせ、それを埋めていることに気付かされる。うん、このバランスがいいんだよなあ。
もちろん、新鮮さ、爽やかさがある。アルネイスにしてはさすがジャコーザな価格ですので、おいそれと飲み過ごすこともないと思いますが、この手のサッパリとした飲み口だとついつい飲み過ごしそう(それもいいけどね)。
2015年よりもハーブ系が少な目とはいえ、どうだろう?蒸し鶏や、豚しゃぶの乗ったインサラータ、レモンやバジルソースもいいのではないか?これくらい密度が伴えば、マヨや、少し辛味のあるソースでも問題ないかもしれない。少し塩味もあるので、ハム類もありだと思う。レモンソースのパスタ、イタパセちらちらとかもいいかもしれない。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型。爽やかなセージ、レモンなどの柑橘の香りに刺々しさを感じさせない白い花。口に含みますと初日よりもいっそうおおらかな厚みがありますね。ミネラリーだけれども、ミネラルだけでは
ない。味わいにある柑橘や、酸味もやはり刺々しくない。しっかりと含み香があるんですよね。これが味わいの強さにリンクします。白いミントっぽさまではいきませんが、チョーキーなミネラル香が黄色の香りを牽引するようですね。とてもおいしい。アルネイスらしいなあ。うん、ド・アルネイスです。
三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュアに変更です(意図的なものではありません)。二日目のそう変わりはしませんね。キンキンでも、果実味に萎縮感はありません。輪郭に張りを感じつつもやわらかいミネラルが果実味としっかり密度感に貢献。スッキリもしているしシャープさもあるんだけれども、まったくショボくない。このお値段でショボかったら怒られるわな(笑)。
ま、安心、安定ですね。だってジャコーザだもん。
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