Brunello di Montalcino Manachiara 2004 Silvio Nardi
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ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ マナキアーラ 2004 シルヴィオ・ナルディ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ・グロッソ/フルボディ》
現在の当主であるエミリア・ナルディの父であるシルヴィオが興したのが1950年のこと。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会の地図を見れば、シルヴィオ・ナルディのアジェンダがモンタルチーノ村の北西にポツンとたたずむ様はちょっと寂し気ですが、元々はカサーレ・デル・ボスコという名のアジェンダでもありました。もう少し東側には、同じくポツリとカスティリオン・デル・ボスコのアジェンダがございます(確かグッチかどこかが買収したような気がする)ので、ボスコ‥と名の付く地域なのでしょうね。大小織り交ぜて約36もの葡萄園を所有しますが、1962年から所有している古い畑であり単一クリュがこのマナキアーラ。ながら、このクリュは北西側ではなく、カステルヌォーヴォ・デッラバーテに近い南東側と対局に位置します。1985年頃からエミリアの時代となり、ナルディのフラッグシップとしてブルネッロ・ディ・モンタルチーノの単一クリュとなるマナキアーラを1995年ビンテージから醸しています。
海抜は300m付近、砂や石英、粘土が混じる土壌で、コルドンで仕立てられたサンジョヴェーゼの株密度はhaあたり4500本。手摘みでの収穫の後、28度〜30度に温度管理されたステンレススチールのタンクで醸しと発酵が約20日施され、アリエ産の新樽バリックで12ヶ月の熟成後、スロヴェニア産の大樽に移され18ヶ月の追熟成の後瓶詰めされます。前回ご紹介した2001年と同じく正規輸入品となりますが、2001年の後が2004年だなんて嬉し過ぎます。ワインアドヴォケイト誌92点、ワインスペクテイター誌93点、ヴェロネッリ誌2010年度版青★★★96点(G.B)
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
しっかりと肉厚なボルドー型瓶、ラベルはマナキアーラらしい茄子紺とエンジのような茶色の組み合わせ。せっかく現地で印刷貼付けられた日本語も入ったオリジナルラベルがあるというのに、日本で上からシールが貼られているので、どこか情報が間違ってるのかもしれないが、まぁいい。表記のアルコール度数は14.5度。コルクは弾力のある5.5cm。グラスはヴィノムのボルドー型。グラス内壁を垂れる脚に、それ相応のアルコールやエキスの高さが垣間みれるし、スワリングする手に重みを感じる。実はかろうじて底が透ける小豆色がかったルビー色。落ち着いたヴァルサミコなども感じる果実香、2001年と熟成スピード的に変わらない?いや、この状態が長く続くのかもしれません。熟成香というほどでもないが、熟れた香り。フルーツは非常にふんだんで、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー。しっかりと土壌の香りも複雑で、やはり思いのほか、樽香はさほど派手ではなく、果実香が開いている状態がいい。
口に含みますと、ふぅ‥密度の高さは相変わらずのマナキアーラ。果実味の間にHBの鉛筆の芯をコソイだ粉が混じる。ふくよかに‥というよりも、とても重たいフルボディでとてもずっしりと重量感を口の中全体で感じることができる。その密度の高さと重さは、まだ若さとも言えるが、酸味と渋味の質の高さ、ビッシリと隅々まで行き渡る要素がゆるぎない骨格を形成している。
いやぁ素晴らしいっすね!!
渋味も酸味もしとーりと濡れ、酸味はどんどんとじゅんわりと作用する。いやぁ2001年にも増して素晴らしい。密度の高さが固さと感じるだけで、飲み初めても文句なしに旨い。ふむふむ、2001年共通の熟成香っぽさは、マナキアーラがゆえの樽熟成の長さに由来するものだな。まだまだ酒質自体に熟成が入る段階でもない。
この圧倒的な密度感、フルボディ‥は、現時点での楽しみ。だからと言って濃縮系の濃さではないし、しっかりと良質の酸が溶け込んでいるので、重さを感じながらも、もう一杯‥と杯はススム。小豆っぽさはマナキアーラらしいのかな。カーボン≒鉛筆の要素もそう‥。1995年、2001年と重なる印象。
二日目もヴィノムのボルドー型。なんだかネッとりとした果実香。ブルーベリーかカシスのジャムを付けたバウムク−ヘン的な甘味ある香り。乳脂肪分…でもヴァニラって感じでもない。口に含む‥というか、なんてスルスルスルーっと滑り込むんでしょうか。まとまり‥渾然一体‥まるであっさりとした(←ここ重要)T-1000型ターミネ−タの様。飲み込んでから‥とてもチャーミングなチェリーの甘酸っぱい香りが上がってくる‥
ふぅ‥この感覚初めてやな‥。
その甘酸っぱいチェリーの香りの余韻の長さったら‥これまた異次元。
舌に、喉に(抵抗感として)触る要素なく、スルスルと‥しかし、その密度を感じつつも、しかも、しかも‥初日ほど重たさを感じさせないのも秀逸。そしてこの余韻のチャーミングな果実の香り‥
圧倒的じゃないかっ!!
三日目もヴィノムのボルドー型。よく練り練りと粘土状にまとまった果実香。とてもやわらかに、やさしく口の中に広がりますね。ほんと初日の重みが柔軟になってきました。いいカーボン(≒鉛筆の芯)がありますね。今回の毒味では二日目が絶好調でしたら、このワインはまだまだ進化しますよ。2004年も太鼓判の旨さ!間違いないです!
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