Brunello di Montalcino Tenuta Greppo 2004 Biondi Santi
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ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・テヌータ・グレッポ 2004 ビオンディ・サンティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ・グロッソ/フルボディ》
先代のクレメンティ・サンティが、イル・グレッポの地でワイン造りを開始。その後継者は孫のフェルッチョ・ビオンディ・サンティ氏。栽培されるサンジョベーゼの中で、房も粒も大きく、凝縮した果実味を持つクローンを選別‥それこそがサンジョベーゼグロッソでありブルネッロと呼ばれるBS11のクローンとなりました。フィロキセラ後の畑にサンジョヴェーゼグロッソのみを植え替え、スロヴェニア産の大樽での長期熟成を施し‥1888年ビンテージのグロッソを4年樽熟成させたブルネッロ・ディ・モンタルチーノが誕生します。
1917年、当主となったのはフェルッチョの息子のタンクレディ。そして5代目となる現当主はフランコ・ビオンディ・サンティとなります。フェウッチョの代から姓がビオンディ・サンティに変わるのは、クレメンティの娘がビオンディ家に嫁いだことから‥だそうそうな。
1983年まではロッソ・ディ・モンタルチーノの格付けがなかったことから、ヴィーノ・ロッソ・ディ・ヴィニェート・ディ・ブルネッロなどの名前でセカンド的位置づけのワインも醸していたようですが、当時はブルネッロ・ディ・モンタルチーノもそれも、当時のワイン法ではサンジョヴェーゼは90%までで良いとの規定があり、他の品種がブレンド可能なこともあり1967年に創設されたコンソルツィオへの加盟を拒否していた歴史もあります。その後、1980年のDOCG昇格時に品種はサンジョベーゼ100%と規定されてからフランコもコンソルツィオに加盟‥という歴史もあります。ブルネッロの産みの親が故の‥厳しさですね。
現在、イル・グレッポに所有する畑は約25ha。ブルネッロはスタンダードなこのアンナータと、リゼルヴァ。アンナータに使用されるブドウは樹齢10年から25年のものだそうで、発酵は1950年代からセメントタンクと大樽の併用(リゼルヴァは大樽のみ)。天然酵母で28度から30度、15日から18日間‥48hlのスロヴェニア産の大樽で36ヶ月の樽熟成を経ます。
2002年は全量ロッソ・ディ・モンタルチーノの格下げしながらも、通常2年の樽熟成期間ながら3年熟成させるなど、その産みの親は、自身にも厳しいのであります。変わる魅力のある生産者も確かに存在しますが、変わらない魅力‥これこそがビオンディ・サンティなのかもしれませんね。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2012年10月)
お馴染み過ぎるエチケッタは、威厳がある。バックラベルにはこの2004年の生産本数として70,522という数字が印刷されており、表の肩部分にビンテージ表記とナンバリングが施されています。西野嘉高が毒味するのは45040番のブルネッロ・ディ・モンタルチーノとなります。表記のアルコール度数は13.5度、前のロットの裏ラベルに表記されていたURL表記は "www.biondisanti.it" と記載されたシールが貼られており、そのシールを剥がすと"DISTRIBUITO DELLA BIONDI SANTI S.P.A"という文字が印刷され、ておりましたが、今回のロットから基本的にバックラベルのデザインは同じですが、最初から、そのURLの記載がなくなりました。キャップシールはしっかりと厚みのある素材。DOCGのピンクの帯封はキャップシールに巻き込まれるように縦貼りとなります。コルクは良質の5cm。グラスは‥ヴィノムのボルドー型一択。
抜栓時にふわりと新鮮な果実香が広がりました。グラスからは開放的な香りの広がりではなく、大人しい。まだ(まだ)熟成したニュアンスはなく、なんだろうな‥まるで梨をシャクっとした時の瑞々しい甘味を連想させる甘い香り…そんな香りと、ベリーやスミレの香りとの相性がいいんだ。
香りからすでに質の高さが伺える。そして樽のニュアンスに頼っていないことも‥。純粋な果実香には、どこかリキュールっぽいカシスのエッセンスも感じるが濃さではない。すべらかに密度の高さがあることも伺えるし、すでに口の中は唾液が一杯でとにかく早く口に含みたい。樽のニュアンスは、杉のような木質な香り、微粉のスパイスっぽさ。
口に含むと素晴らしい輪郭。すでにとてもなめらかで、酸味もイキナリのつゆだくだく状態。大樽での長期熟成というゆっくりとした酸化が生み出すのか、2004年というのにすでに飲みやすいし、飲める。恐ろしくキメの細かいタンニン、酸味という筋肉の筋と筋の間のすみずみまで行き渡る。含み香にも杉のような香り、青さはない。厚みもありフルボディではあるが、図体のデカさをアピールするようなバカっぽさは皆無で、もの静かにたたずみながらもその存在感がヒシヒシと伝わってくる。恐ろしく余韻が長い。後半からグンと伸びる味、香り。静かに深みが出てくるな。まだ一杯目ではあるが‥とても旨味のある酸味と旨味。
二杯目。梨のようなは、いわゆるベジタブル香っぽさでもある。その香りはスミレにもリンクしているし、ベリー系の香りともリンクする。ビオンディ・サンティにはこの香りは特徴的なのかもしれない。少し前に飲んだ1986年のアンナータも果実香やスミレ系の花香のみならず、この2004年ほどではないにせよベジタブル系の香りがあったかと思う。複雑に感じるワインは少なからず複雑な要素を持っている。複雑なだけでは良いワインではなくバランスも重要だ。バランスを保つには、確固たる構成‥核が存在し、そこから梁が伸び、そこに肉付きや装飾が施される。
どこか凸凹しているものは特徴的だ。突出した何かがあるからこそ凸凹に感じるのかもしれない。ただし、凸を感じるということは凹を感じるということでもある。いや、凸が良くて凹が悪いというつもりはないが、そこに個性を感じるのだろう。このワインはどうだろうか‥解釈にもよるが‥凸凹してはいない。とても真面目で優等生で‥それをつまらなく思う飲み手もいるかもしれない。モンテヴェルティーネも同じだ‥昔はつまらないワインだと思っていた。その完璧さを。では凸凹しているワインは完璧ではないのか?どこにフォーカスを合わせるか?そこに尽きる。ならば、このワインのフォーカスは、二次元の緻密な設計図をまんまトレースした三次元の完璧な姿‥そこに尽きる。
その質量を考えると‥もちろん熟成ポテンシャルも感じる。熟成という時間軸はやっかいだ。現時点で完璧に思えたものも、その先を考えるとさらなるピークを考えると実は、今‥完璧ではないのでは?と勘ぐり、それがネガティブな思想になる。ワインの熟成は緩やかなカーブのようでそうではない、いくつかのピークがあり山を越え、谷を越え‥もちろん、古酒ともなれば、どのような状態が好みかによって、山が谷に感じたり、谷が山に感じたり‥突き詰めるとひとそれぞれ。そしてそれは抜栓後のワインの状態にも通じる。抜栓後、いくつかの点を感じることで総合的に判断したい。だから私は1本飲むのだ。
二日目、グラスはヴィノムのボルドー型。注ぎながらも爽快に駆け抜ける杉と果実の香り。初日よりは幾分開いて感じ、HBの鉛筆の芯、青色のインクも混じるが果実の香りはとてもやさしい。ベジタブルはどんどんとベリーの紫に濡れる。旨味に応じた甘味はあるが、まったく添加したような甘味はなくほんのりとしている。口に含むと、ビシっとキマった質の高いタンニンは初日よりも多く感じる。ミネラルに冷涼さがありそこにタイトでストイックな部分を感じる。
三日目、グラスは真新しいヴィノムのボルドー型。あああネリネリした甘味が出てきた。飲み口はさらにエレガントに‥。香りがスーっと伸びるのよね‥味わいもスーっと伸びるのよね。決して濃く感じさせるワインではないが、まったくブレない。構成力をヒシヒシと感じます。初日から徐々に‥この三日目はタイトな酸味があり、まだ初日、二日目はワイン単体でも楽しめるが、この三日目になるとさらに食事を引き立てる酸がもう一枚前に出てくる。
熟成させてもいいが、本気で20〜30年とか無理ですよね。蔵出しは相当高いのがビオンディ・サンティですが、並行なら古酒は比較的あるのもビオンディ・サンティ‥自分で寝かせる必要はありません。若い内のビオンディ・サンティとして楽しむべきだ。もちろん、3年後でも5年後でも変わらず美味だろう。開いているかどうかは‥抜栓後の時間が解決する問題で、待てばいい‥そう、待てばいい‥それだけ。
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