Roero Arneis 2019 Vietti
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ロエロ・アルネイス 2019 ヴィエッティ
《イタリア/ピエモンテ/白/アルネイス/辛口》
ピエモンテ州はクオーネ県、カスティリオーネ・ファレットに位置する生産者です。特徴的なアートラベル、これまでは日欧商事さんの扱いでしたから百貨店などでも見たことあるあるな生産者でもあります。
1800年代後半、初代のカルロ・ヴィエッティからスタートした生産者。その息子であるマリオに時代になってからヴィエッティの名前での自社瓶詰めが始まります。1952年からエノロゴとして従事していたアルフレード・クッラードが1957年にはマリオの娘であるルチアーナと結婚、ヴィエッティ家の哲学を引き継ぎます。2000年に引退後は四代目として長男のルカと娘のエマニュエラの夫アルフレッド・クラッドが引き継いでいましたが、この夏、アメリカのコンビニチェーン「KUM&GO(カム&ゴー)」のオーナーであるカイル・クラウゼに買収され参加となりました。実は2015年にはエンリコ・セラフィーノも買収したいたようですね。
2007年のリゼルヴァ・ヴィレッロがモニカ・ラーナー(ワインアドヴォケイト)誌で100点が付けられたのも記憶に新しいですが、それが買収に少なからず影響を及ぼしたと考えています。
ただし、傘下に入っただけで実際のアジェンダの運営はこれまで通りとのこと。まあ、色々あるんだと思います‥うんうん。
カスティリオーネ・ファレットでは最も早く単一クリュのワインを瓶詰めすることとなり1961年にバローロ・ロッケとバローロ・マッセリアを誕生させます。
絶滅の危機に瀕していたアルネイスの復興にもアルフレードは一役買い、ヴィエッティのロエロ・アルネイスは品質の高いものです。もちろん、ピエモンテの生産者らしいドルチェットやバルベーラ、モスカートからなるワインもありますし、バルバレスコは当時から所有するマッセリアのクリュを。そして要はやはりバローロですね。
最もスタンダードかつカスティリオーネ・ファレットの個性を表現するバローロ・カスティリオーネに、ロッケ・ディ・カスティリオーネやラヴェーラ、ラッツアリート、ブルナテなどのクリュバローロ、その頂点にはリゼルヴァ・ヴィレッロが光臨します。
サント・ステファノ・ロエロ地区の中心部にある複数のブドウ園で収穫されたアルネイスは平均樹齢25年とアルネイスとしては高いブドウ樹。10度から12度の低温でのアルコール発酵と醸しが行われますが、新鮮な酸を保つためにマロラクティック発酵は施されません。熟成も樽は使われず、タンクにて落ち着かせてから瓶詰めされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
生産者ご本人曰く「それはバッカス(酒の神)」だそうなキモいオッサンの画は変わりませんね。瓶形は2015年まではボルドー型でしたが、2016年からALBEISAの凸モールドの入った撫で肩共通瓶となっています。また、キャップシールは紅白のチェッカーフラッグ的なパターン模様なのもカワイイですね。パッケージ全体はカワイイのにオッサンだけキモいというコントラストは目立ちますね(うんうん)。コルクは2016年はディアム社製の4,5cmでしたが、この2019年はディアム社製の5cm!いいですねえ。冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型です。相変わらずの透明度がありブリリアントなペールイエローがいいですね。グラスの内壁に少しぷちぷちがあります。透明感ある果実香はミネラルを感じさせながらもやわらかさもある柑橘。可憐な白い花、アカシアの黄色、やわらかな部分に洋梨と和梨の果汁感がたっぷりです。
口に含みますと、十分に果実の熟度とボディ感をがありますね。やわらかなミネラルもあり余韻も長いですね。あ、ちなみに表記のアルコール度数は13,5度となります。口の中ではプチプチとはしませんがとてもフレッシュさがありますね。決して軽やかなサッパリ系、だけではない、それ以上に感じさせるのは、ボディ感があるからですね。果実味が主体でとても飲みやすい。ほんのりとした苦味があり、心地よい酸味もいいリズム。やわらかさを感じさせる旨味も少なからず初日一杯目からあり、ジューシーさに繋がります。2016年の毒味もチラ見しながら飲んでますが、印象はほぼ同じ、もうひとまわり大きな感じですね。確かに唾液誘発系で、シャープさがないわけではありませんし、旨味推しでもありませんが‥なバランス感覚がおいしい。
含み香もアルネイスらしいですね。そう塩味が強いタイプではありませんし、花の香りも強すぎない(フラワリー過ぎるとメシと合わない)のもいい。基本は梨系の白い果肉果汁でとてもおいしい。
ワイン業界的な話では、アルネイスもアロマティック品種になるんですが、アロマティック品種って、華やかなスタイルを目指すと、単体ではおいしいけど、食中酒には向かないものも散見されるんですよね。このワインはほどほどの華やかさがあり、ワイン単体でも、食中酒にも‥といういい意味でニュートラルなバランスで使い勝手いいと思いますよ。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型です。梨の果汁に赤い皮のリンゴの風味も出てきましたね。柑橘だってあるんですよ。初日同様、それなりのボディ感もありまろやかさを感じますが、酸味がクッキリとしてきてメリハリもあります。それにしても余韻が結構長いですね。旨味推しではないが、旨味もしっかり感じられて満足感もある。うん、2019年、おいしいぞ。
三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型。このグラスでいいですね。二日目と香味はほぼほぼ変化なし、少し飲み口に苦味が増したような、増してないような(どっちだよ)。いや、余韻に続く苦味が増してますね。春の野菜、菜の花など少し苦味のあるのがいですね。オイル系のパスタ、ホタルイカでもオイルサーディンでも。ミネラルばかりではない果実味もちゃんとあるのがいいですね。お料理とのアッビナメントは魚介類や、野菜ならニュートラルになんでも合いそう。アルネイスも慣れたものですが、ヴィエッティのアルネイス、久々ですがとてもおいしいですよ。
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