Etna Rosso 2014 Benanti

シチリア州の赤

更新履歴 2017/03/11
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2,380円(税込)

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エトナ・ロッソ2014 ベナンティ
《イタリア/シチリア/赤/ネレッロマスカレーゼ80%から85%、ネレッロカプッチョ15%から20%/ミディアム》


1800年代末、ジュゼッペ・ベナンティがカターニャのヴィアグランデでワイン造りを開始しますが、相続時の財産分与を繰り返した結果畑は細分化されます。1988年、初代ジュゼッペの孫にあたる現当主ジュゼッペ・ベナンティが畑を買い戻し、エトナのワイン造りの復興に動きだします。

当時エトナのワインは単にシチリアのワインのひとつでしかありませんでした。しかし、類を見ないエトナ特有の条件、標高の高さ、樹齢の高さ、火山性土壌を活かしたエトナ特有のワインを表現することで現在の「エトナワイン」と呼ばれるようになったのです。現在ではシチリアで産出されるワインの6%を占めるまでになります。

ベナンティはエトナの全てを知り尽くしています。最も良いとされる北斜面はもちろんのこと、東、南、西、すべての斜面に畑を所有しています。


 「標高は一番低い畑でも500m。最も高い畑はブドウ栽培の限界を超えている
  と言われる1,200mでカリカンテを栽培してる。」


近年注目の産地となったエトナ。マルク・デ・グラツィア(テッレ・ネレ)や、アンドレア・フランケッティ(パッソピッシャーロ)の進出で一気に知名度も揚げ商業的にも成功した産地と言えます。もちろん、地元シチリアの大手生産者や、若い造り手も増えました。ベナンティはそんな状況にも寛容ですが、


 「飲み心地が良くタンニンも少なめでブルゴーニュのような新しいエトナ
  も素晴らしい。でもベナンティは古典であって変わってはいけない。」


近年はネレッロ・カプッチョを軽視する動きには否定的。マスカレーゼとカプッチョの混醸こそがエトナのワインという思想。


 「カプッチョは酸度、タンニンともに少ない。確かにマスカレーゼの方が
  優れている。しかし、混植することで互いの欠点を補い合う。」


硬いミネラルにやわらかさを与えるのがカプッチョの役割でそれがエトナの個性。ベナンティはエトナの古典であり、開拓者でもあるんですね。

そんばベナンティは今回ご紹介するスタンダードなエトナ・ロッソ以外にクリュを名乗るエトナ・ロッソも醸していますが、新しい生産者達とは違うクリュなのも注目です。また、あえてネレッロマスカレーゼとネレッロカプッチョを混醸せずに品種名でリリースするなど、エトナの土着品種の個性を多様に表現しています。

さて、このスタンダードなエトナ・ロッソの品種はネレッロ・ママスカレーゼが80%から85%、ネレッロ・カプッチョが15%から20%ビンテージによって異なる模様。海抜は450mから900m、北側斜面、南東、南西の斜面のブドウが混醸されています。2013年までは北側斜面カスティリオーネ・ディ・シチリアのヴェルツェッラ区画のブドウのみが使用され「ロツソ・ディ・ヴェルツェッラ」を名乗っていましたが2014年からは混醸の利点を醸し出しているようですね。

haあたりの株密度は6,000本から8,000本で、その樹齢は10年の若樹から60年に至る古樹までが混醸されています。手摘みで収穫されたブドウは除梗され25度に温度管理されたステンレスタンクでの20日から21日の長期の醸し発酵。発酵後のワインは80%はステンレスタンクで熟成されますが、残りの20%はフランス産の古樽(バリック)で8ヶ月から10ヶ月の熟成を経てブレンドされます。

飲んでみました。

実は、2014年のエトナがこの十数年で最高の作柄であることを踏まえてテッレ・ネレのエトナ・ロッソ2014年を再毒味しましたら‥これがめちゃくちゃ旨かったんですよね。個人的にエトナのワインにはあまりビンテージによる格差を感じることはないのですが、なるほどなるほど‥ということで、ちょうど仕入れのついでがあったものでベナンティのこのスタンダードなエトナ・ロッソも2014年ということでサンプルを買って飲んでみた次第。

ただし、実は2013年までは「エトナ・ロッソ・ロツソ・ディ・ヴェルツェッラ」を名乗っていまして、2012年までは(ベナンティらしい)。そんな2012年までは試飲会などで経験していたのですが、ピンと来なかったんですけどね。ボトルもブルゴーニュ型になり(エトナらしいと思います)ラベルもいい感じ。

これぞザ・エトナのワイン‥。が、第一印象。テッレ・ネレのエトナ・ロッソ2014年よりも一段深い色合い、確かにピノ・ノワール的な果実感があるが、決してピノ・ノワールではない。ただ、二歩、三歩引いておおまかにその品種特性を考えるとピノ・ノワールに近い果実感がある。

テッレ・ネッレのそれよりも少しタンニンやスパイスは多目で、甘味のレベルは同等だけれども、テッレ・ネレよりも控えめ(もちろん、甘味はある)。無理のない密度でとても飲みやすいし、香味もよく開いていますね。

シンプルという意味ではなくとても素直な酒質がいい。カプッチョもそれなりに混醸されているので味わいに奥行きがありますね。単調にならない。ベナンティのエトナ・ロッソってもう少し高めだったような気がして手を出してなかったのですが、こうなるとテッレ・ネレよりもお手頃価格、しかもエトナの老舗の良質なエトナ・ロッソで今後も扱いたいと思える酒質に大満足です。

単調に思わせないのは、何もカプッチョ混醸が理由だけではないはず。2013年までは北側斜面のヴェルツェッラ区画のブドウのみでしたが、この2014年はエトナの様々な斜面、区画からのブドウが混醸されています。これぞベナンティらしさ‥なのでしょう。そして、香味は自ずと複雑になります。

エトナに関してはまだまだクリュの善し悪しもハッキリとしませんし、イタリアのみならずクリュ名を名乗れば高額ワインいっちょ上がりな情勢もあまり好きではない。かのバロトロ・マスカレッロのように様々な環境で育った同一品種を混ぜることで複雑さを醸すのもひとつの表現だし、エトナにはそれが似合ってる。もし、クリュが妥当な価格なら話しは別ですけどね。価格差を実感できないものには‥疑問ですもんね。

脱線しました。

二日目もしっかりと密度と、ハッキリとした香味を感じます。テッレ・ネレは明るく透明度のある赤ですが、ベナンティはもう少し暗め。それでも、他の品種と比較すれば明るさがありますけどね。二日目もタンニンやスパイスも感じる複雑な果実香、時間経過で、しっとりジューシーさも‥旨味と酸味のこの関係、俺の好みなんですよね。

2013年からだったようですが、ベナンティはブルゴーニュ型ボトルだといいなあ‥と思ってたのですが、ラベルデザインを含め女性的になったような気がしますね。シチリア、エトナ好きにも十分納得して頂けるコスパですよ!

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