Nebbiolo d'Alba Valmaggiore di Vezza d'Alba 2007 Bruno Giacosa
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ネッビオーロ・ダルバ ヴァルマッジオーレ・ディ・ヴェッツア・ダルバ 2007 ブルーノ・ジャコーザ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》
本筋はブルーノ・ジャコーザの本拠地であるネイヴェ‥つまりバルバレスコの銘醸。祖父カルロ、父マリオ‥そして現当主であるブルーノと三世代に渡り、その名声を築きあげてきました。
現在、自社で所有する畑は約20ha。過半数は買いブドウでワインを醸していますが、これは祖父カルロも、父マリオもブドウの仲買人も仕事だった歴史があるんですね。とはいえ、カルロ氏は自社での醸造も初めていたんですね。第二次世界大戦の戦中や戦後は、ボトルワインの市場がなかったために瓶詰めのみで量り売りをしていた時期もあるそうですが、1961年‥1929年生まれのブルーノ氏の名前を冠した"ブルーノ・ジャコーザ"が誕生しました。うーん、なんて孫思いのじいちゃんだったのでしょう‥と思うが、この地方では祖父の名前を継ぐのはよくあることのようですね。
今なお、買いブドウも使用していますが、仲買人の家系な歴史は、どこの畑が優れているのか、誰が栽培しているブドウが優れているのか‥熟知しているんですね。そんなブルーノ・ジャコーザのワイン達…実は、ラベルには二種類の表記があるんですね。
・(Casa Vinicola) Bruno Giacosa
契約農家の畑から購入したブドウで醸されるワイン。
・Az.Ag.Falletto di Bruno Giacosa
自社で所有する畑から収穫されたブドウで醸されるワイン。
こう書くと、後者の方が‥というイメージありますよね。しかし、そこは長年買いブドウでの醸造の歴史を持つブルーノ・ジャコーザ‥すべてはネイヴェの醸造所で醸造されますし、買いブドウと自社ブドウでの醸造方法に差はありません。もちろん買いであれ、自社であれブルーノ・ジャコーザのクオリティーに差はありません。
昨今では、1994年の法改正以後、ランゲ・ネッビオーロを名乗る生産者が圧倒的となったようですが、ジャコーザでは、従来からのネッビオーロ・ダルバを名乗っています。では、このジャコーザのネッビオーロ・ダルバはジャコーザの高級なバルバレスコや、バローロのセカンド的、若樹や格下げブドウやモストで出来上がるのか?違うんですね。
ブルーノ・ジャコーザでは、このネッビオーロ・ダルバのために4つの生産者からネッビオーロを購入しています。毎年4つの中から、状態のよい生産者からのものを中心に醸造、ブレンドしているようで、ロエロ地区などのネッビオーロも含まれています。
そしてこの「ヴァルマッジョーレ」と付くキュベは、畑はランゲのタナロ川の北地区(ロエロ)となるヴェッツァ・ディ・ダルバに位置するヴァルマッジョーレ地区からのネッビオーロのみで醸した上級品となります。
海抜約250m、haあたり4000本の株密度、砂質と泥土の土壌にコントロスパリエーラの仕立てで栽培されている平均樹齢20年のネッビオーロは、約27〜28度に温度管理されたステンレスタンクにて約15日間のアルコール発酵と、マセラシオン。タンク内でマロラクティック発酵を終えた後、110hl(2011年は110hl、2012年は55hl)の大樽で12ヶ月の熟成後、2ヶ月ステンレスタンクで清澄され、無濾過で瓶詰めされます。
西野嘉高が知る限り2010年あたりからは「Valmaggiore」の表記だけとなりますが、同じワインだと思われます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
Casa Vinicola Bruno Giacossa表記の買いブドウとなりますが、生産本数14,500本、そして各ボトルにナンバリングが施されています。相変わらずジャコーザのコルクはこのクラスでもとてもいい5cmです。グラスはオヴァチュア、表記のアルコール度数は13度。ネッビオーロらしい少しオレンジがかった赤色。ロエロのブドウらしいバラの香りは案外控えめかな?少しのスミレのニュアンス、香りは閉じているわけではないが大人しめかもしれません。甘味ある果実香、口に含みますとたっぷりとした旨味がまさに出汁!渋味や酸味の過度はとれ、輪郭からとてもシルキーで口の中にやさしい輪郭を感じますね。
若い内には感じられない、熟成したがゆえのやさしい口当たり。いわゆる熟成香はなく甘味を帯びた果実の香り、味がしっとり‥そう、しっとりとめさくさ旨いんです!甘味のある紅茶葉、ダージリンの風味、乾燥としっとりが交錯する茶葉系、しかもそれが甘いんだから玉露か。いや、緑、青さはないのでやはり紅茶なのがネッビオーロなのだ。
旨い‥これ3,980円税込でいいの?
二杯目はなお旨い。渾然一体となりますね。図太くはない華麗な余韻。押しつけがましくないですね‥ストレスのない酒質はまさにジャコーザです。
二日目もオヴァチュアです。うわああやっぱええわあ。熟成香の出る前の新鮮な甘味ある果実香が前、前‥でも、角も取れてまあーるくまあーるくなーれーーえ!とてもしっとりとまとまってます。旨味が深く、でも熟成による重さではなくしんみりと浸透する。いやあ旨い、そして安い!
ジャコーザらしいストレスのない飲み口、甘味だってそう、過剰じゃないしとって付けた甘味じゃない。果実由来でほんと出来がいいワインなんですよね。
ここで出て来たのが、きんぴらゴボウですわ。絶対ネッビオーロにはゴボウですよ‥ゴボウ!肉(牛肉やで)の旨味、砂糖の甘味、トウガラシが引き締めてくれる‥これはネッビオーロですわ、ネッビオーロ。
三日目もオヴァチュアです。三日目でも美味しい状態が持続していますね。まとまり、酸味が隅々まで行き渡った感じ。変わらず丸みはあるが、熟成香はほとんど感じません。第一次飲み頃のドピークなんでしょうね。とても美味しいです。しっとりとした
旨味がいいですね‥バラ、スミレの香り、白んだチェリー。ちょー気持ちいいキメ細やかなタンニンと酸はほんとスベスベしています。いい塩梅の古酒‥これは美味しいですよ!
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