Rosso di Montalcino 2017 Le Potazzine
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ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2017 ポタッツィーネ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
当主はジュゼッペ・ゴレッリで、そのBDMは1997年が初ビンテージ。モンタルチーノの方言で色鮮やかな四十雀(しじゅうから)を意味する「Potazzine(ポタッツィーネ)」がアジェンダの名前由来。また祖父母達が孫を愛情を込めて呼ぶ時にもポタッツィーネと呼ぶとか。ジュゼッペの娘であるヴィオラとソヴィアも祖母からそう呼ばれていたようです。
初ビンテージは1997年ですが、アジェンダの創業は1993年。ジュゼッペは醸造学を学んだ後、ブルネッロの生産組合でもしばらく経験を積んだそう。父はレ・ドゥエ・ポルティーネというアジェンダも所有していますので、そちらで栽培や醸造の経験も。
所有する5haのブドウ畑のほとんどがブルネッロ・ディ・モンタルチーノとなります。その内3haは熟成庫近きにあるそれなりの樹齢の古いもので、他2haはソフィアが生まれた年である1996年に植樹されたブドウが栽培されるアジェンダからは少し離れたサンタンジェロ地区にあります。その2haの畑の購入はジュゼッペが醸造コンサルタントとして他の生産者への助言にも役立っており、単一品種ながら異なった土壌で栽培されたサンジョヴェーゼの混醸によるバランス、複雑さは、レ・ポタッツィーネにも生かされています。現在はジュゼッペはレ・ポタッツイーネからは離れていますが、ヴィオラが運営を任されています。
レ・ポタッツィーネのロッソ・ディ・モンタルチーノもブルネッロ同様に二種類の畑からのブドウが混醸されます。海抜500m、南西向きのレ・プラタの畑からのブドウと、海抜320m、南東向きのラ・トッレの畑からのサンジョヴェーゼ。個別に醸造され最後にブレンドされます。35日間、パンチダウンとポンプオーバーを施しながらとじっくりと時間をかけての醸しと発酵が行われ、マロラクティック発酵が終わった段階でアンナータとロッソに振り分けられます。このロッソとなるキュベは10HL、30HL、50HLのスラヴォニア産の樽の併用で10ヶ月の樽熟成後瓶詰めされます。樽熟成までは基本的にブルネッロと同じ。もちろん区画毎の醸造のはずですので、ロッソになるのはいつも同じ(若樹かな)区画かもしれませんけどね。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
そんな四十雀が描かれたラベルは白地に黒に近い紺色。コルクはまあまあの4,5cm、グラスはヴィノムのブルネッロ型一択です。サンジョヴェーゼらしいスミレに混じる少し金属的なミネラルと、しっかりと熟した果実香、香りからしっとりとした果実味が想像でき、やわらかさも期待できる。決して化粧ぽさではない華やかさがあり、樽はとてもキレイに馴染んでいる。
口に含みますと、やわらかで、熟した果実味がたっぷりながら、引き締めてくれるような酸味が後味まで続き、きめ細やかなタンニンもある。すでに旨味もあるし、閉塞感なく、すぐにおいしい状態‥そう、RDMに必須の条件を満たしている。飲み込んでからプラム、少し茶葉っぽさもあるな。そう、旨味もあってすぐに飲めるやわらかさもあるからって旨味推しというわけでもない。ポタッツィーネらしい‥どこか「硬さ」もある。そこに構成も感じるから、これはほぐれなくてもいい硬さ。
まだ一杯目ですが、時間をかけると、その「いい硬さ」を感じる、タンニンも湧き出る様。ああ、レ・ポタッツィーネらしさがムクムクと込み上げてくる。旨酸っぱさ‥甘味控えめのシリアスなスタイル(あくまでも控えめに感じるだけで甘味はある)。塩味すら感じるミネラルは、食べ物が欲しくなるんだな。しっかりと果実味とタンニン、酸味があるんだけれども、キチンとミディアムボディなのも食がススム要素。
二日目です。緑茶茶葉系の香りが溶け込む果実味はなめらか。ミネラルもやわらかくなってきましたがシカとあるのも感じます。しっかりと密度があり、旨味もありますが、旨甘味推しではない。十分にミディアムのボディ感があり、満足度が高い。少し香ばしさもあるかな。もちろん単一品種ですが、いろんな表情が見えるワイン。こういうのはいいですね。でも、ただただワインに向き合いすぎるのもどうかと思いますので、やっぱりenjoyですよね。
三日目もヴィノムのブルネッロ型。二日目とそう変わることのないおいしさが持続しています。果実は酸味に近い部分はチェリー系、密度に近い部分はベリー系かな。未熟さは感じませんし、2017年は暑かったはずですが、過熟感など微塵も感じません。タンニン、酸味とも三日間を通してまだ元気な若さもあるし、時間経過である程度解れますが、レ・ポタッツィーネらしい、幾分の硬さ、構成感もいいですね。今年も色んなRDMを飲んでいますが、まあ、みんなあくまでもRDMなんだけど、ちゃんと個性もあるんですよね。まあ間違いなくうまいRDMのひとつですよね。レ・ポタッツィーネもやっぱりすごい。
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