Barbera d'Alba 2015 Bruno Rocca
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バルベーラ・ダルバ 2015 ブルーノ・ロッカ
《イタリア/ピエモンテ/赤/バルベーラ/フルボディ》
まだその歴史は浅いながらも、バルバレスコ村でも屈指の生産者となったブルーノ・ロッカ。1950年代前半に現当主であるブルーノの父であるフランチェスコと、母マリア・アデライドがバルバレスコ村の中心部から、ラバヤの地に移住したのが始まりです。当初はブドウ栽培農家として、協同組合や、近隣のアジェンダに卸していましたが、父が亡くなった後、ブルーノの代になった1981年に自社瓶詰めを開始、まだ30年ほどの歴史しかない若い生産者とも言えますが、すでにその名は世界に知れ渡っています。
ブルーノが継いだ30年前‥1981年となれば、すでにGAJAは単一クリュでの醸造をしていましたが、まだまだバルバレスコに置いてはミクロクリマの特徴をワインに表現するという考えは少なかった時代‥当時からブルーノは年に数回ブルゴーニュに渡り、土壌や、栽培、醸造について学んだそうです。
「バリックの導入もブルゴーニュの影響だ。でも、勘違いしないで欲しい。
バリックの香りは大嫌い。ブドウに力があるからバリックが必要になる。
これは自然なことだ。バリックの風味ではない。
バリックの酸素供給能力が必要になるのだ。36ヶ月以上の長期樽熟成、
しっかりと乾燥させたバリックは、香りもタンニンも控えめ。
酸素をある程度供給しながらの発酵、熟成させることだけが大事なんだ。」
一時期はロータリファーメンターを使用し、短期の発酵機関での抽出と色素の安定に取り組んでいたこともありましたが、現在では縦型のステレスタンクでの発酵に戻しています。横型の発酵用器では果帽が常にワインに浸かっている状態になる調節し難いが、縦型であれば果帽が上部で完全にはワインに浸からず、ルモンタージュの方法、回数によって調節しやすいそうです。また、畑では化学肥料は使用せず、近年ではボルドー液の散布も行っていません。
「ボルドー液の毒性は6ヶ月以上もの間畑に残留するが、我々が使用してい
る海藻由来の粉末、天然硫黄と 自家製コンポストのみでそれらは2週間
で土に帰る。大きな違いだと思わないか?それにボルドー液の主原料で
ある銅はネッビオーロの命である酸度を下げることに繋がる。」
そんなブルーノ・ロッカは、そのバルバレスコを筆頭に、ランゲ・シャルドネを、赤はドルチェット、バルベーラはアルバとこのアスティの二種、ランゲ・ネッビオーロなどを醸しており、バルバレスコはスタンダードな村名と、クリュとなる、このラバヤ、コパロッサ、マルア・アデライデ、2012年から息子のフランチェスコが醸造を担当するクッラのクリュもリリースしています。
前述の通り、ブルーノ・ロッカでは、バルベーラ・ダルバとバルベーラ・ダスティの二種類をリリースしています。今回はバルベーラ・ダルバのご紹介です。ライムストーンや青いマールを主体とした土壌で栽培される50年から60年の樹齢を誇るバルベーラが使用されます。10日から15日間のアルコール発酵の後、フランス産のバリックで12ヶ月の樽熟成後瓶詰されます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2019年5月)
ブルーノ・ロッカらしいボルドー型瓶、縦長で上質なオフホワイトのラベル地、お馴染みの羽の繊維感も表現できる良い印刷。書体も統一感あってセンスがありますね。コルクはなかなかの質4.5cm。グラスはザルトのユニバーサル型。表記のアルコール度数はバルベーラ・ダスティと同じ14.5度の表記となります。
バルベーラ・ダスティよりも一段深い色のような気もしないでもないが、気のせいのような気もする(どないやねん)。バルベーラ・ダスティよりも果実香に溶け込みつつも樽香はそれよりも少し主張している感じ。抜栓したてだけれども、すでにまとまりや馴染みを感じ、旨味を想像させる香りがある。スパイスもなめらかなチェリーや、フランボワーズに溶け込んでていい感じ。口に含みますと、キメ細やかなタンニンと酸味に、バルベーラのスパイス感を感じますが、乾き、ではなくしっとりと濡れたまとまりがあり、凸凹、イガイガしない。一口目から飲めるスムーズさがあり14,5度を感じさせない。バルベーラ・ダスティ同様に全体像として丸みがあり、旨味≒甘味も程よい。ほんと舌への馴染み具合がとてもいいですね。すぐおいしい、すごくおいしいの具現化。
うーん、バルベーラ・ダスティ同様に完成度が高い。2015年の好バランス手伝っているはず。バルベーラ・ダスティよりももう一段だけ深く感じるかもしれないが、もう一段華やかなのはアスティの方かもしれない。ここは、地区の個性の違いだね。でも、ブルーノ・ロッカの作品としての共通項がある。フルボディとしてもいい密度とボディもあるけれども、飲みやすさもありますね。とてもわかりやすい、甘味を持つ果実味があってやっぱりわかりやすい。
終盤にはバルベーラらしい野性味溢れる果実の味わいもある。ブローノ・ロッカってもっとモダンな時期もあったと思うが、この2015年のバラベーラ2種を飲む限り、行き過ぎてない。洗練という意味でのモダン、田舎臭くないレベルなのが嬉しい。
二日目、グラスはザルトのユニバーサル型。分かりやすい甘味ある果実香、スパイス、野性味があるのがバルベーラらしいんだけど、雑っつい感じじゃないのが洗練を感じさせるよね。バルベーラ・ダスティよりも最大20%ほどボディ増しにも感じるが、増しなのか、深みなのかを思うと「全体像として」なんだな。どこにも過剰な部分がないというバランスはに完成度をヒシヒシと感じる。うまいし、飲みやすい。いいねえ、いい意味でみずみずしさがある。そこが飲みやすさでもある。14,5度を感じさせない‥ね。タンニンが洗練されている、幾何学的なカーボン、シックにまとまる。
三日目、グラスはザルトのユニバーサル型。アルコール感も少し前にきましたが、相変わらず果実香もたっぷり。甘味と旨味もあり、すべすべした輪郭にマロみを感じますね。するりと飲み干せる飲みやすさが嬉しい。密度、余韻も十分、バルベーラ・ダスティよりも構成感があり、力強い。逆にバルベーラ・ダスティの方が華やかでしっとりしてたかもしれません。旨いよねー。古典かモダンかという二択はつまんないけど、いい意味でモダン。古臭くない。最新のスタイルという意味ではなく洗練ですけどね。わかりやすさというのは大事ですね。難解なワインを読み解くのも楽しいかもしれませんが、わかりやすいワインをわかりやすく楽しむのはとてもラク。とてもいいワインですね。
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