Dolcetto d'Alba 2013 Bruno Giacosa
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ドルチェット・ダルバ 2013 ブルーノ・ジャコーザ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ドルチェット/ミディアム》
本筋はブルーノ・ジャコーザの本拠地であるネイヴェ‥つまりバルバレスコの銘醸。祖父カルロ、父マリオ‥そして現当主であるブルーノと三世代に渡り、その名声を築きあげてきました。
現在、自社で所有する畑は約20ha。過半数は買いブドウでワインを醸していますが、これは祖父カルロも、父マリオもブドウの仲買人も仕事だった歴史があるんですね。とはいえ、カルロ氏は自社での醸造も初めていたんですね。第二次世界大戦の戦中や戦後は、ボトルワインの市場がなかったために瓶詰めのみで量り売りをしていた時期もあるそうですが、1961年‥1929年生まれのブルーノ氏の名前を冠した"ブルーノ・ジャコーザ"が誕生しました。うーん、なんて孫思いのじいちゃんだったのでしょう‥と思うが、この地方では祖父の名前を継ぐのはよくあることのようですね。
今なお、買いブドウも使用していますが、仲買人の家系な歴史は、どこの畑が優れているのか、誰が栽培しているブドウが優れているのか‥熟知しているんですね。そんなブルーノ・ジャコーザのワイン達…実は、ラベルには二種類の表記があるんですね。
・(Casa Vinicola) Bruno Giacosa
契約農家の畑から購入したブドウで醸されるワイン。
・Az.Ag.Falletto di Bruno Giacosa
自社で所有する畑から収穫されたブドウで醸されるワイン。
こう書くと、後者の方が‥というイメージありますよね。しかし、そこは長年買いブドウでの醸造の歴史を持つブルーノ・ジャコーザ‥すべてはネイヴェの醸造所で醸造されますし、買いブドウと自社ブドウでの醸造方法に差はありません。もちろん買いであれ、自社であれブルーノ・ジャコーザのクオリティーに差はありません。
契約農家から買い付けるドルチェット種もジャコーザの品質基準をクリアした良質なもの。ステンレスタンクでの15日間のマセラシオンで香りを引き出し、25度〜26度でアルコール発酵。そのまま約6ヶ月の熟成を経て瓶詰め。2011年のアルコール度数は13.13度でしたが、この2013年は13.75度。
ジャコーザのラインナップは少し複雑。このドルチェット・ダルバも自社畑モノもあるはずですが、毎年あるとも限らなそう。ドルチェット種は、ご存知の通りピエモンテでは名もなき日常酒としても消費される品種だけれども、やはり良い造り手が醸せばもちろん美味しいワインになる。ではボンカレーと、ホテルで食べる3000円のカレーの差がを感じ取れるかどうかで、大抵はボンカレーでもいいと感じるのかもしれません。ドルチェットをバカにしているのではありませんが、できれば3000円以内で良質なものを飲みたいものですね。となると、巨匠ジャコーザのドルチェットは華やか、かつ雑味のないドルチェットの果実味がストレートで想定価格内‥なんですね。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
このクラスでもほんと質の高いコルクなのがジャコーザですね。長さは5cmあります。グラスはオヴァチュア一択。そのエッジはピンク紫、たっぷりと赤と紫の小さな果実達の甘味ある香りがいいですね。どこか野生な果実達に感じるのはスパイスかなあ。あ、ちなみに13.5度です。口に含みますと、思った以上の厚み、ボディを感じますね。ふくよかで、香り同様の野生の果実達の香味がほんとたっぷり。旨味もあるし、とても酸っぱ旨いんです。ほんと酸味は豊富ですが、それに負けない果実味があります。フレッシュな酸がイキイキと活動的ですがそれが雑、粗さに感じさせない。
2012年とはまったく違います。まだ一杯目の一口目ですが、ヌケもありません。酸味は元気ですが輪郭にまろやかさも感じます。香味が開いているのもとてもいいですね。2012年よりもより深く、大きく感じます。
うん、このドルチェット旨い!
さすがジャコーザですなあ。2010年は12.5度、2011年は13度。2012年は12.5度表記かな?(たぶん)この2013年が13.5度表記、実際には13.75度とのことですから、そのボリューム感も手伝っていると思いますね。
スミレやバラのエキス(リキュールとまでアルコールは感じない)。ドルチェットらしいブドウ味のガムっぽさもある。二杯目になると益々まろやかさが増し、一杯目の外交的なブリブリぶりっ子さがよくまとまっています。ドルチェットのジャミーな果実味ってほんと美味しいね。ミックスベリーのジャムを塗ったトーストあれば一本飲めてしまいそうな勢い。
二日目もオヴァチュアです。ブラックベリーやカシス、ブラックペッパーが宇宙刑事(ギャバン)。スミレにラベンダーが混じりますね。とても芳香に開いています。口に含むと初日よりもさらなる落ち着きがありますが、酸味がジュワジュワしてきました。喉を鳴らすように‥。果実の香味をハッキリを感じますね。やはり舌にイガつくことのない果実味がジャコーザらしいし、濃い味なんですがストレスがないですね。アルコールのカロリーも過剰じゃない。やわらかいミネラルも溶け込み、2012年とはまったく違うとてもいいドルチェットですよこれは!
三日目もオヴァチュア。スミレとラベンダー。酸味がクッキリとしてきましたね。ブドウ味のガムに黒胡椒‥二日目とさほど変わらないしっかりと香味が出ていますが、飲みやすさも兼ね備えています。三日目は甘味が控えめかな‥十分美味しいですね。素直ながら、しっかり‥な、果実味がとてもいいドルチェットですよ。
で!なぜか出てきたのが、ポークチャップ。これが合う!
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