Rosso di Montalcino 2019 Capanna
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ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2019 カパンナ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
1957年創業。モンタルチーノ中心部の北側、名高いモンテローリ地区に位置します。1960年代に自社瓶詰めを始めますが、当時25生産者から始まったモンタルチーノ協会の会員であり、老舗の生産者とも言えます。現在の当主はパトリッツィオ・チェンチオーニ、エノロゴはパオロ・ヴァガッジーニ。
ロッソ・ディ・モンタルチーノには比較的樹齢の若いサンジョヴェーゼが使用されます。温度管理されたステンレスタクで18日から20日間のアルコール発酵の後、スラヴォニア産の大樽でマロラクティック発酵が行われます。20HL、32HLのスラヴォニア産の大樽で約10ヶ月の樽熟成後瓶詰めされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
八角形の黒地のラベルに、金の紋章と、白い文字は至って潔い。コルクはまあまあの4,5cm、グラスはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。表記のアルコール度数は14,5度となります。色調はこれぞブルネッロというサンジョヴェーゼな色合い。エッジの赤もキレイですし、中心に向かって暗くなるグラデーションもとてもいい。軽く木質な気質のスパイス混じる樽香に純度の高いフランボワーズとスミレ。軽くプラムと柏餅の葉、こし餡の風味が少し「どすえ」。口に含みすと、サラサラっとお茶漬けを掻き込むようにタンニンが流れ、そこに無理がないんですよね。14,5度には感じまい。とても、飲みやすいミディアムなんだけれども、やや低めの重心の密度に隙はないんだけれども、重さではないヌケのなさは軽々しく感じさせません。浸透するような果実味があり、これが時間経過で旨味も加わるとすれば、さらにジューシーかつ、サラっとした飲み口がある。舌触り、輪郭もミネラル硬さはないんだけれども、低反発な張りがぷるんとしてる。樽の香ばしさというか、苦味にも似た味わいがより飲みやすさと渋過ぎなさを演出していますね。甘味はないわけではないんですが、真面目、端正な辛口。
今回はユニバーサル型ですが、ヴィノムのブルネッロ型でもいいし、シュピゲラウのディフィニッションのボルドー型あたりでもいいかもしれない(ヴィノムのブルゴーニュあたりとか)。ブルネッロって、ボルドーっぽさもブルゴーニュっぽさとの共存だと思うんですよね。だから、おおまかにどっちのグラスでもいいんだけども。時間経過とともに、旨味も出てきますね。よりまろやかに感じてきました。ああ、旨味とともに甘味も出てきましたね。文句なしに旨いです。真面目だけども気難しさや、分かりにくさはまったくありません。にしの組なら、きっと想像の範囲内で(いい意味でよ)、キャティ・クラッシコではないモンタルチーノのおいしいサンジョヴェーゼだし、ロッソ・ディ・モンタルチーノって言われると、これが?と思われるほど、ブルネッロっぽい。そいういう意味でもコスパも高いですね。余韻も長い。うん、イイ。
一杯目(ややたっぷり)を飲み干してから、一時間半ほど縦置きのボトルからの二杯目。一杯目の終盤の続きである感覚もありますが、1割ほどふくよかさと、まろやかさが増しましたね。
二日目もグラスはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。小さな黒いベリー、野生のチェリーなどの果実味も複雑になってきました。香りに密度がありますね。RDMとは思えない深さもあります。飲み口もあくまでも果実味の主体なのはある意味RDMらしいし、まだ力強さはもちろんありますが、開放的な開きがあり今飲んでとてもおいしい。
口の中で最後まで果実味がスパークする感じで酸味が引っ張ってくれます。旨ちゅぱな後味と香りの余韻がとても長い。二日目もグラスの中でさらによくなる。果実味豊富で、スムーズ。14,5度とは思えない飲みやすい濃さ(語弊あり)。うーん、満足度非常に高いですね。ワイン単体でも十分に楽しめますね。ステーキがいいかな。おいしい塩と胡椒で、脂のおいしいサーロインをこれで流し込みたい。
三日目もグラスはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。三日目で最後の一杯、これで5杯目となります。つまり、注ぐという行為も三日間で5回しかしてないわけですね。この行為が酸化をもたらすので、注ぐという行為を調整できれば、もっと開かせたり、酸化を遅らせたりできるわけです。この濃さ(語弊あり)は、ノンフィルター的な濃さもあるんですよね。で、三日目なので旨味がすんごい。じゅわじゅわっとジューシーだし、つゆだく。まとまりもありますね。一体感があるからさらにまとまったひとつの球体として濃く感じさせます。
カパンナ、おいしいんですよね。なかなか目立たない造り手なんですけどね。ブルネッロもいいですが、RDMがなかなか質が高い。もちろんBDMと比較するとカジュアルで、早飲みな方向性には仕立てられてますが、これがすんごくいい。CCRも高くなってきた昨今、尚更コスパもよく感じますね。このRDMはこれからしっかりとした重めの料理とも相性良さそうですよね。良く言えば玄人好み、悪く言う必要はないが華のない、映えないかもしれませんが、中味は間違いなく旨い(褒めてます)。
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