Ardi Moscato Secco NV(2012) Adriano Marco e Vittorio
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アルディ・モスカート・セッコ NV(2012) アドリアーノ・マルコ・エ・ヴィットーリオ
《イタリア/ピエモンテ/白/モスカート/辛口》
アルバはサン・ロッコ・セーノ・ディ・エヴィオ村という長い名前の村に位置します。1900年代前半に祖父であるジュセッペ・アドリアーノ氏の代からワイン醸造も行っていたようですが、マルコとヴィットーリオの代から本格的にピエモンテのワインを生産し始めます。
マルコがアグロノモを、ヴィットーリオがエノロゴを務め、他は家族・親戚総出で‥な小さな造り手ですが、近年、醸造設備を刷新するなど品質の向上目覚ましい注目の生産者でもあります。
ピエモンテの生産者らしい土着品種を醸していますし、ヘーゼルナッツも販売しているようですが、ご自慢はそのバルバレスコですね。ひとつはサナダイヴというクリュ名かどうか不明のバルバレスコ。そしてご自慢のバサリンのクリュ名が付くバルバレ
スコは、リゼルヴァの二種類を醸します。
そんなアドリアーノ・マルコ・エ・ヴィットーリオが醸すモスカート(マスカット)種からなる辛口のワインがこちらなんです。
アルバにある南東と北向きの海抜約250m、平均樹齢20年となかなかお兄さんのモスカートが栽培されています。やさしく搾られたモストは18度から20度に温度管理されたステンレスタンクでゆっくりと発酵させて香りを引き出します。澄んだ液質を得るために沈殿と少しの濾過が施されます。
ALBEISAの刻印ある共通瓶。"Vino Bianco"と記載されたVino da Tavolaの扱いのようで(そうとも記載されてませんけどね。バックラベルも日本仕様になってますし)、ビンテージの記載はどこにもありません。このような場合は大抵、ロット番号に秘密があるものです。このワインのロット番号は"L130727"と書かれています。2013年の7月27日に瓶詰めされたもの‥とのこと。ということはブドウは2012年産とのことです(生産者に確認済)。
飲んでみました。
冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュア。コルクは"ブ"の心配はほぼないはずの4.5CMの圧縮コルク、少しのシルバーと緑が射すやや薄めのレモンイエロー。なお、表記のアルコール度数は13度となります。
香りは確かにモスカートです。青果のモスカートの皮と新鮮な果肉の香り。確かに、モスカートの特徴としての麝香、ムスクのような香りはありますが、決して果実香のフルーティーさを邪魔する香水ではないし、果実香主体。豊富な酸味を連想させる香りもあり、モスカートな甘味ある果実香もあるが、確かに飲み口はドライのはず‥は香りからも。
口に含みますと、ほおほお、これは旨い。まさにマスカットの頬張った時と彷彿とする果実味、皮、スパイス。とうても上質かつ豊富な酸味があり含み香にも甘味は感じさせますが完全にドライなワインですね。生ブドウ(きぶどう‥ではなく、なまぶどう)っぽい緩さや、ダレた甘味が出てしまう品種ですが、これは違う。
同じ黄緑色のメロンの風味も少しありますね。白さは麝香ではなく、ミネラル、白い花、微かな白い胡椒(ラーメンコショー)。モスカートらしく香りは存在感があり、余韻も思ったよりも長い。しかし、そのモスカートの香りに人為的なもの、人工的なものを感じないのがいいですね。
モスカート(マスカット)の香りなんていくらでも香料で付けられるわけで。そういう作為的なものは微塵もありません。瑞々しさも良質で、決め手は酸味とフレッシュさですね。ドライ、辛口というよりも、控えめな甘味に良い酸っぱさがある‥という方がしっくりくるかもしれません。
正直、マスカットワインの辛口ねええ‥実はほんのり甘口で、まさか食中酒には使えたもんじゃないムスクの香水の香りが強過ぎて、結局、マッカットと合わせるしか能がないワインなんでしょう?と、思ってました。
ゴメンなさい。ゴメンなさい。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュア。少し黄色い香りも出てきましたね。リースリングの石油香に似たミネラルがほんの少しと、キンモクセイ、マスカットが熟れた感じでしょうか。麝香系は大人しくなりました。
口に含みますと初日よりも果実味に熟れを感じますね。とても深いし、甘味ある旨味がたぷーりの酸味とともにジュワジュワとわき上がります。
モスカートの辛口がこんなにおいしいとは!
モスカートのスパイス感にほろ苦さ、甘ったるくさせない豊富な酸味が鍵ですね。
三日目も冷蔵庫キンキン、グラスはオヴァチュア。さらに黄色味とメロン香が豊かになり、ジンジンしないゲヴェルツっぽさもありますね。酸味の質がとてもいいので、ヌケないオチないユルまない‥三拍子揃ってます。
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