Siet Vignis 2012 Ronco del Gelso

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ロンコ・デル・ジェルソ

更新履歴 2015/01/07
販売価格

3,480円(税込)

在庫数 SOLD OUT

シエト・ヴィニス・シャルドネ 2012 ロンコ・デル・ジェルソ
《イタリア/フリウリ/白/シャルドネ/辛口》


フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はコルモンス地区も素晴らしい生産者の宝庫。協同組合なカンティーナ・プロドットーリ・コルモンスはもちろん、リヴィオ・フェルーガやボルゴ・サン・ダニエーレもコルモンスだ。

現在のオーナー兼エノロゴはジュリオ・バディン氏。元々はブドウ栽培農家だったそうだから、それこそ協同組合に卸していたか、この地での比較的大きな生産者となると前述のリヴィオ・フェルーガ、日本では見かけないがアンゴリスという生産者かも。自社瓶詰めを始めたのは1988年、イソンツォ川の支流であるアルテ川近くに畑を所有しており、痩せた小石混じりの土壌。土壌の個性を生かすために、肥料はほんの少しだけとのこと。


「うちはオーガニック、ビオデナミや何とか(失礼)ではない。かと言っておざなりにワインを造っているということでは全くない。環境へのわずかなインパクトしか及ばさない栽培や醸造のテクニックを使わないことには意味は見いだせない。これは醸造学校で習ったことで、純粋に農業であり、自分にとって宗教的なものではない。

例えば、害虫にはフェロモン剤を使う。銅剤は6kg/haしか使わないし、敏感な品種には一切使用しない。ボトリティス菌の殺虫剤はずっと使っていない。ピート由来の天然肥料は使用する。除草剤は1,5リットル/haのみ使うけど、殺ダニ剤は一切使用せずダニには天然の天敵を使う。水をセーブするために点滴灌漑を行う。畑は自分の庭みたいに大事に手入れするんだ。

醸造においては培養酵母、硫黄、ベントナイトは使うけど他は使わない‥自分が目指すワイン醸造への見解を損なうことなく、全てが自分の知識や経験、思慮分別を通して得て来たテクニックなんだよ」


現在約25haのブドウ畑から、8種類の白ワインと、1種類のロゼ、2種類の赤、1種類のパッシートを醸しているが、そのパッシート以外は、コルモンス地区のあるゴリツィア県のフリウリ・イソンツォDOCを名乗る。

ジェルソのワインの個性は明白。もちろん、その品種特性の表現も巧みだが、樽熟成の有無に関わらず、異次元の密度の高さ、オイルのような粘性。単一品種、混醸に関わらず果実や花の香味は立体的で複雑。フルボディで強さを感じますが飲み飽きしない‥。実は皆さんが(も)求めていたフリウリワインはこのジェルソでは?


2008年からその区画名であるトック・バスという名前が付くことになりますので、クリュを名乗らないフリウラーノの最終ビンテージとなります。もちろん、2008年からクリュを名乗りだすということは、この2007年はトック・バス区画からのブドウに限らずという可能性もありますが、ロンコ・デル・ジェルソからの回答は同じワイン。2008年から名前にトック・バスが付く‥とのこと。

当時のテクニカル情報がありませんので、2012年のそれをコピペ。コルモンス地区の比較的標高の低い約4.2haのトック・バス畑。haあたり4,500本の株密度、グイヨで栽培されるフリウラーノが使用される。ソフトプレスで搾られたモストは19度に温度管理されたステンレスタンクで培養酵母での発酵。マロラクティック発酵は行われないが、澱とともにシュール・リーでステンレスタンクでの熟成が施されます。


7つの畑、合計3haの畑ではhaあたり6000本の株密度でグイヨで仕立てられる「R8,96,85,548」というクローンのシャルドネ。まず12ー18時間のコールドマセラシオンの後、ソフトプレスで搾られたモストは19度に温度管理されたステンレスタンクで培養酵母を用いての発酵。マロラクティック発酵は行われず2500リットルの大樽で12ヶ月の樽熟成後瓶詰め。


独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味


ボトル形状は撫で肩のいわゆるブルゴーニュ型となりますが肩部分に「GORIZIANA」の凸モールドがございますのでイソンツォDOC(ゴリツィア県)の共通瓶のようですね。ピエモンテ州のアルバ地区の「ALBEISA」の共通瓶と同じくマーケティングを兼ねたコストダウン策という感じかな。ロンコ・デル・ジェルソの(表)ラベルはどこかの高級チョコレートメーカーのパッケージのような洒落たもの。

詳細な情報(たいしたことは書いてない)はすべて裏ラベル(ちょっとショボい印刷なのが残念)となります。コルクももう少しがんばって欲しい4.5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのボルドー型を選択。表記のアルコール度数は14度となります。16金のゴールド。完熟のパイナップルの香りに樽由来のヴァニラのヒント。樽ドネとなりますが、決してタルタルしたものではありません。完熟の杏、橙色濃いオレンジピール。奥底にハーブ香もありますね。

口に含みますと、とても滑らかで、ぷるるんとした輪郭。重みもありますがとてもバランスが良い。濃密な柑橘香がありますね。柑橘やパインの香味の集中度が高いです。甘味もあるのですが、過度なものではありません。あくまでも果実由来ですし、アルコールなカロリーではありません。ほのかに、あくまでもほのかに苦みを伴います。旨味もありますね。こんなに果実が太いのに、キチンと酸味があるからジェルソは大きく、深く感じるんだな。酸味に近いスパイスがジンとしますね。

あくまでも脇役の樽のヴァニラ香はベースに存在するが、パインに洋梨果汁の香りが入ってきましたね。しっかりと香りが出ていますね。ほんとジェルソの共通項を感じつつも樽ドネらしさがあります。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはブルゴーニュ型に変更です。2500Lという大きさの樽は樽香が上品ですね。それまではバリック(225L)だったそうで、2500Lに変更してからまだ数年ということで新樽香的な要素もまだ少し‥という段階。樽も使いこなすことで風味も変わるでしょうしね、そういう楽しみもありますね。

とはいえ、新樽っぽいヴァニラ香は派手なものではありません。やはりパインのシロップ漬けに少し生クリームを添えた程度。もう少し温度は上げた方がいいようですね。

ほんとジェルソのワインは不思議だ。樽熟成させたものの方が上品にまとまっている。ステン仕上げの方がオイリーで濃さを感じるんだな。この樽ドネもとても上品でバランスがいいですね。決してご飯咀嚼100回系のクリスピー(≒おこげ)な香ばしさを持つ樽ドネではない。あくまでも樽香はアクセントなんですよね。しっかりとフルーツの果実味に富みます。ちなみに苦みは控えめ。

うん、温度が上がってくるといいですね。シャルドネの果実の香味がジンジンと迫る。香りが濃いんだなあ。飲み口の密度も高いが酸味がビシっと隅々まで行き渡っておりまったくダレませんね。

三日目も冷蔵庫キンキン温度。グラスはブルゴーニュ型です。ジェルソの構成ってのは(時間的に)持つよね。あまり変わらないとも言える。フルーチェ(←樽の要素の比喩)のパイン味、三日目にして樽ドネらしさ満開です。ようやく‥ようやくですか?そうだったんですか?と問いかけたくなるほど樽ドネ。ながら、樽はまったく派手ではない。シャルドネの果実感はあくまでもクリアなんですがね。パインのジュレ、果肉入りのゼリー。うん、ほんとに樽香は穏やかだなあ。でも、果実味はほんとしっかり‥強さすらまだ感じる。ほんといい樽ドネですね。クリアな部分を持ちつつも、上品に成り過ぎない。バランスよくまとまりつつも、こじんまりとしてしまっているわけでもない。温度はやや上がり気味な頃合いからがほんと美味しいですね。

いい樽ドネですな。

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