Brunello di Montalcino 2012 Pian delle Querci
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ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2012 ピアン・デッレ・クエルチ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
元々は牛の飼育や農業が生業だったシエナ出身のピンティ氏が1975年にモンタルチーノ村の北側のシエナにほど近い畑を購入。ワイン好きの趣味が高じて…を地で行くアジェンダで、現在御年82歳のピンティ氏と家族で営む小さな造り手です。(情報は更新されておりません。ピンティ氏、元気だといいんですが)
所有するブドウ畑は小さなもので合計約8.5ha。その内ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG指定畑が6ha、ロッソ・ディ・モンタルチーノDOC指定畑が2ha、残り0.5haはサンタンティモDOC指定畑で、その他に小麦、スペルト小麦の畑を所有しています。
南東向きの250mから300mの畑。1997年にダブル・コルドーネ・スペロナートの仕立てで植樹されたサンジョヴェーゼが栽培されており2001年が初ビンテージとなります。1975年に畑を購入していますが、ほんとに趣味で造っていたのでしょうね。2001年が初ビンテージなんですから。
ブドウの成熟度によって区画ごとに手詰みで収穫。30度に以下に温度管理されたステンレスタンクでの醸しとアルコール発酵、マロラクティック発酵が完了するまで約3週間費やされます。樽熟成は50hl(5,000L)のスラヴォニア産の大樽でじっくりと36ヶ月。樽は3回使用したら新樽に入れ替えるそうですので新樽比率は25%かな。瓶詰め後は最低8ヶ月の熟成後リリースされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
相変わらず垢抜けないデザインのラベルですね。コルクは2008年は4,5cm、以降2011年まで5cmでしたが、この2012年はまた4.5cmに戻ってます。質は並質。表記のアルコール度数は2008年が14度、2009年、2010年は14,5度、2011年とこの2012年は15度となっています。グラスはヴィノムのブルネッロ型一択。相変わらず淡めの色調ですが、例年はもう少しオレンジが射したような赤ですが、2012年は少しトーンが暗く赤が強い印象です。
ああ、すでに甘味のある果実、樽香を伴う旨味出汁系の香りがあるんですよね。まだ全開ではないと思いますが八分以上は咲いている。少し鉄分を感じせせるミネラル香がダレさせない果実香は甘やかでフルーツがたっぷりある。熟したチェリーとベリーの香りふんだん。白い石灰っぽさが少しチョーキーなニュアンス、2012年ですが香りからはネガティブな印象はまったくありません。
口に含みますと、すでにまとまった果実味は揮発ではなく奥深く、しっとりと濡れた旨味があります。酸味もジューシーに旨味、果実味にまとわりつきこの上ないおいしさ。15度、確かにボリュームも甘味もあるが、アルコール(だけ)に由来するとは思えない。
なんだよ、毎年旨いのかよ。
2012年、ネガティブな部分をつい探してしまうのですが、2010年、2011年、遜色のないおいしさ保証します。単一だけど、果実や花の香り複雑だなあ。少しミックスベリータルト的な部分もあるんですけどもしつこくない。
二杯目はさらに甘味を保ちながらまとまる。甘旨味の極地。これで酸味があるからこそ、それを出汁っぽく感じるんだなあ。そして旨味、果実味が幾層にも重なる感じで構成、ボディ感がありのがこのクエルチのおいしいとこ。
二日目もヴィノムのブルネッロ型。奥深い甘味ある旨味に立体的な構成を感じます。リゼルヴァとアンナータの個性の違いは明白ですね。リゼルヴァの方がもう少し固いミネラルと、豊富なタンニンがあり骨格感も強く男性的かも。対してこのアンアータは豊満でやさしい甘旨味ある果実味が中心でつゆだくな出汁がとてもジューシーで女性的に感じます。
今すぐ美味しいのもクエルチのいいところですね。
2012年も15度と高いアルコールですが熱量も過度じゃない。ちゃんとクエルチらしいバランスを保っていてとてもいい造り手、そして作品。
三日目もヴィノムのブルネッロ型一択。そうそう、クエルチの特徴的なのは、たまーにネッビオーロにも感じる甘味のある紅茶の香りが少しあるんだよね。酸化が絡む紅茶葉、アルコールによる甘味などが複合的にそう感じさせるんだろうと思うのですがこれがとっても魅力的な香り。香りは落ち着きましたが、甘味と旨味がとっても、とってもしっとりと濡れた果実味がとても美味しい。
甘味、旨味、そして酸ももちろんですが、三日目にしてようやく乾いたタンニンのサラサラ感も少し前に出てきましたね。濡れとサラサラのコントラストも複雑な要素になります。
旨いねえ。
2012年のネガティブな要素な微塵もない。三日目でもまったくヌケやユルみなどない。なんでこんなに安いんですか?
安かろう、旨かろう‥2012年も健在です!
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