Roero Arneis 2015 Bruno Giacosa
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ロエロ・アルネイス 2015 ブルーノ・ジャコーザ
《イタリア/ピエモンテ/白/アルネイス/辛口》
本筋はブルーノ・ジャコーザの本拠地であるネイヴェ‥つまりバルバレスコの銘醸。祖父カルロ、父マリオ‥そして現当主であるブルーノと三世代に渡り、その名声を築きあげてきました。
現在、自社で所有する畑は約20ha。過半数は買いブドウでワインを醸していますが、これは祖父カルロも、父マリオもブドウの仲買人も仕事だった歴史があるんですね。とはいえ、カルロ氏は自社での醸造も初めていたんですね。第二次世界大戦の戦中や戦後は、ボトルワインの市場がなかったために瓶詰めのみで量り売りをしていた時期もあるそうですが、1961年‥1929年生まれのブルーノ氏の名前を冠した"ブルーノ・ジャコーザ"が誕生しました。うーん、なんて孫思いのじいちゃんだったのでしょう‥と思うが、この地方では祖父の名前を継ぐのはよくあることのようですね。
今なお、買いブドウも使用していますが、仲買人の家系な歴史は、どこの畑が優れているのか、誰が栽培しているブドウが優れているのか‥熟知しているんですね。そんなブルーノ・ジャコーザのワイン達…実は、ラベルには二種類の表記があるんですね。
・(Casa Vinicola) Bruno Giacosa
契約農家の畑から購入したブドウで醸されるワイン。
・Az.Ag.Falletto di Bruno Giacosa
自社で所有する畑から収穫されたブドウで醸されるワイン。
こう書くと、後者の方が‥というイメージありますよね。しかし、そこは長年買いブドウでの醸造の歴史を持つブルーノ・ジャコーザ‥すべてはネイヴェの醸造所で醸造されますし、買いブドウと自社ブドウでの醸造方法に差はありません。もちろん買いであれ、自社であれブルーノ・ジャコーザのクオリティーに差はありません。
ロエロ地区の15軒の古くからな馴染みの契約農家から買い付けるアルネイス種もジャコーザの品質基準をクリアした良質なもの。16度から17度に温度管理されたステンレスタンクで25日間の醸しと発酵後、タンク内で4ヶ月ほどの熟成が施され瓶詰。2013年、2014年と表記のアルコール度数は13度でしたが、この2015年は13.5度となります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みの白地のラベルです。ジャコーザらしく白ワインでも良質な5cmのコルクが嬉しいですね。冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュアです。なお、表記のあるコール度数は13.5度となります。
少しシルバーがかったレモンイエロー。決して濃い黄色ではありません。キレイに柑橘の白い部分と、黄色の部分が出ていますね。確かにセージのような緑の要素もありますが、基本白から黄色のレンジの花、果実達。白い花の香りとリンクするような白い果肉の果実、白桃、洋梨を連想させます。思ったほどミネラル香は前ではなく果実香にまろやかさを感じさせますね。
口に含みますと、輪郭のやわらかさは、ミネラルのしなやかさに通じます。しっかりと口の中での存在感(ボディ)がありますが、全体的に優しさがあり羽毛布団の様。ミネラルにフレッシュな酸味が溶け込み、やわらなか果実に伸びをもたらします。
0.5度の度数の上昇はあまり感じさせることはありません。樽を使わないとてもキレイなアルネイスですね。
うん、間違いなく旨いです。
果実にやわらかな密度があり、濃厚‥という感じではない。ヌケがない=密度の高さを感じますね。輸入元のテイスティングコメントに青リンゴ‥があるのですが、確か青リンゴ感ありますね。未熟な青さではないし、過熟したものでもない。爽やかさ、新鮮な酸味に通じる青リンゴ感、青リンゴ特有の皮の香りも隠れています。
少しの温度上昇で、飲み口に塩っぽいミネラルが出てきましたね。酸とともにドライに終息させてくれます。飲み込んだ後の鼻に抜ける香りもドライ、ほんの少しのワンポインとな苦みもアクセント。
2015年はヴィエッティのアルネイスもご案内していますが、ヴィエッティと比べるとタイトに感じますが、グングンと柑橘の果汁感が増してきました。華やか過ぎずにミネラル(の少し硬さをも)感じさせる日本酒度+5以上の吟醸酒っぽさもある。
うん、おいしいねえ。突き詰めると柑橘が主役。構成は硬さとやわらかさのバランスがいいんだよなあ。ほんとに良く出来てる‥ジャコーザのワインはこれに尽きますね。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュアです。白い花の華やかさに乗る柑橘の香りが清々しいですね。緑の要素はほんと少なめ、基本白から黄色の要素です。口に含みますと、初日よりも甘味のある果実味、一段と深く密度が高い。でも甘ったるさはない。ミネラル、キッチリ仕事をする酸味が嬉しい。柑橘の旨味がありますね。やっぱり2015年は果実味がひとまわり大きいし、一段深い。
三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはオヴァチュアです。香りは少し大人しくなりましたが、よいまとまり。味わいに旨味がでて、ひとまわりおおきな存在感。旨味が強くなりましたね。柑橘、洋梨、甘味のある旨味がある。酸味に溶け込み感があってワイン単体で飲むのもいい状態。うんまい。
もちろん、バランスというに尽きるのですが、しっかりと果実の熟度があり、それにまけないミネラルや酸がある。ひとまわり大きく、一段深い、もひとつの複雑さと、もうよっとの余韻の長さが優良年たる所以かな。さすがですね。
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