Roero Arneis 2015 Vietti
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ロエロ・アルネイス 2015 ヴィエッティ
《イタリア/ピエモンテ/白/アルネイス/辛口》
ピエモンテ州はクオーネ県、カスティリオーネ・ファレットに位置する生産者です。特徴的なアートラベル、これまでは日欧商事さんの扱いでしたから百貨店などでも見たことあるあるな生産者でもあります。
1800年代後半、初代のカルロ・ヴィエッティからスタートした生産者。その息子であるマリオに時代になってからヴィエッティの名前での自社瓶詰めが始まります。1952年からエノロゴとして従事していたアルフレード・クッラードが1957年にはマリオの娘であるルチアーナと結婚、ヴィエッティ家の哲学を引き継ぎます。2000年に引退後は四代目として長男のルカと娘のエマニュエラの夫アルフレッド・クラッドが引き継いでいましたが、この夏、アメリカのコンビニチェーン「KUM&GO(カム&ゴー)」のオーナーであるカイル・クラウゼに買収され参加となりました。実は2015年にはエンリコ・セラフィーノも買収したいたようですね。
2007年のリゼルヴァ・ヴィレッロがモニカ・ラーナー(ワインアドヴォケイト)誌で100点が付けられたのも記憶に新しいですが、それが買収に少なからず影響を及ぼしたと考えています。
ただし、傘下に入っただけで実際のアジェンダの運営はこれまで通りとのこと。まあ、色々あるんだと思います‥うんうん。
カスティリオーネ・ファレットでは最も早く単一クリュのワインを瓶詰めすることとなり1961年にバローロ・ロッケとバローロ・マッセリアを誕生させます。
絶滅の危機に瀕していたアルネイスの復興にもアルフレードは一役買い、ヴィエッティのロエロ・アルネイスは品質の高いものです。もちろん、ピエモンテの生産者らしいドルチェットやバルベーラ、モスカートからなるワインもありますし、バルバレスコは当時から所有するマッセリアのクリュを。そして要はやはりバローロですね。
最もスタンダードかつカスティリオーネ・ファレットの個性を表現するバローロ・カスティリオーネに、ロッケ・ディ・カスティリオーネやラヴェーラ、ラッツアリート、ブルナテなどのクリュバローロ、その頂点にはリゼルヴァ・ヴィレッロが光臨します。
サント・ステファノ・ロエロ地区の中心部にある複数のブドウ園で収穫されたアルネイスは平均樹齢25年とアルネイスとしては高いブドウ樹。10度から12度の低温でのアルコール発酵と醸しが行われますが、新鮮な酸を保つためにマロラクティック発酵は施されません。熟成も樽は使われず、タンクにて落ち着かせてから瓶詰めされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ヴィエッティと言えば淡い色使いながら繊細なタッチのアートラベルが有名ですが、中でもキモさで一番なのがこのロエロ・アルネイスです。ブドウの樹から、顔を出す無精髭のオッサン、おいオッサン!完全に変態やないか!さて、ボルドー型の緑瓶、コルクは嬉しいことにディアム社製の4,5cmでブショネ知らず。冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型です。ちなみに表記のアルコール度数は13,5度。少しブリリアントなペールイエローが透明度があっていいですね。やわらかな柑橘、しっかりと果実香に熟度を感じます。可憐な白と黄色の花はアカシアっぽいかな。洋梨、ミネラルがキレイですね。
口に含みますと、うん、口の中で存在する厚み、ボディ感がありますね。輪郭部分に爽やかな酸味を伴う甘味がグっとある。可憐ながら、解放されたように開く果実香にも熟度を感じます。飲み込むという段階で、ジュワーと酸味が伸び、余韻に繋がる。果実味に旨味、厚みを感じるのに酸味は新鮮、フレッシュ、心地よい刺激が舌から喉奥へ続きます。アルコール感はその厚みの部分に上乗せされていますが、豊富かつ質の高い酸味が全体をダレずに全体を大きくさせてますね。すんばらしいアルネイスですわ。
ミネラルもカキンと冷えるタイプではないんだけれども、構成に寄与する存在感。温度が少しあがると、ほんのりとした苦みと塩味がある。なるほど、アーモンドは感じないが、メロンあるね。夕張じゃない、マスクというかプリンスメロンっぽい。決して青いという意味じゃなくてね。厚みがありながらもスッキリともしてる。ソヴィニョンのような青さ、ハーブではない。ガヴィほど硬質でもない。
初日、一杯目からこれはヤバいほど旨いなあ。
ちょっとしっかり目のお料理が欲しい。インサラータでもいいかもしれないけれども、ササミではなく胸肉、皮付き、バンバンジー的ゴマだれでも負けない。豚肉のロースト、イチジク、でも柑橘。ワイン単体でもぜんぜんイケそう。
公式サイトを再確認。アルコール度数は13,80度になってる。なるほど。でも嫌なボリュームじゃない。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型。ブルゴーニュ型グラスでも面白いんじゃないかと思うが試さない(どないやねん)。
柑橘と洋梨、ピーチ系の香りが1対1なんだな。どちらが強いわけでない。全体的にも強いわけではないが控えめでもない。
うん、ボリュームがある。前も、前々のビンテージも飲んでないので、この2015年が今後の基準となるが、これまでもそれなりにボリュームのある酒質だったのかな‥と想像。なにも2015年、13.5度だから‥だけれはなさそう。そういう意味で口に中での存在感が主役級で、このアルネイスをメインにした組み立ても面白そう。ユルくない旨味があり、サッパリ、スッキリとのバランスが絶妙。味の濃いムール貝のワイン蒸しがいい。牡蠣じゃない。牡蠣ならももっとミネラル強いタイプが欲しいはず。
三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型。さすがに崩れない。ユルまない‥どころか三日目はやわらかに詰まったミネラルが大きい。旨味も増し酸味に苦みが引き締めてくれる。
やっぱ2015年いいですね。バランスよく力強い。そう後者だけなら‥要はバランス。
3,000円ぽっきり‥有り余るコスパです。
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