La Gioia 2011 Riecine
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ラ・ジオイア 2011 リエチネ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
ガイオーレ・イン・キャンティ地区。1971年にイタリア人の妻パルミラを持つイギリス人のジョン・ダンクリーが避暑地としてバディア・ア・コルティブォーノの近くにある1.5haほどのブドウ園がついた修道院近くの別荘を購入。使い古された醸造設備補修と、ブドウの植え替えを行い本格的にブドウ栽培とワイン生産を始めます。
初めてのキャンティ・クラッシコは1973年ビンテージで1975年にリリースされました。ジョン・ダンクリー氏はDOC法では認められながらも決してカベルネ・ソーヴィニョンを栽培するつもりはなかったらしく、「バロン・フィリップ・ド・ロートシルトがサンジョヴェーゼを植える時こそ、私はカベルネ・ソーヴィニョンを栽培し始めるでしょう」だなんて名言も残しています。
リエチネのワインは80年代にも高い評価がされました。ラ・ジオイアはサンジョヴェーゼからなるスーパータスカンとしてご存知の方も多いでしょう。現在当主であるショーンは、1988年にリエチネに訪れジョン・ダンクリーに出会っています。1990年までは他の生産者の元で醸造を行っていましたが、1991年にジョン・ダンクリーから畑や醸造設備を引き継いだショーンがオーナーとして再出発をしますが、1996年に経営状態が悪化し出資者を募ります。翌年にはニューヨーク在住のガリバーマンの出資により再建、1998年には元々セラーだった場所に醸造所を移設し経営を再建後はショーンが当主となっています。
2012年には設備も一新、セラーも拡充されました。新しく清潔な醸造所に、流行りの(語弊あり)卵形セメントタンク。もちろん栽培だってビオに移行している途中かと思われます。それが今‥なんですよね。ブドウ栽培だって醸造だって、少なからずトレンドがあるものです。
現在は合計15haの畑を持ち、ロゼ、キャンティ・クラッシコ、サンジョヴェーゼ100%のIGTはラ・ジオイアとその名もリエチネの二種類を生産しています。サバスティアーノと呼ばれるトレッビアーノとマルヴァジアからなるパッシート(ヴィンサントではなさそうです)も醸しています。また実験的にImprovvisazione(即興)というシリーズでピノ・ノワールとメルロも醸しているようです。
海抜500m付近、ライムストーンと粘土質の土壌でICEA認定のオーガニック認定の畑のようです。そのキャンティ・クラッシコに使用されるブドウの平均樹齢は25年でしたが、このラ・ジョイアに使用されるブドウの平均樹齢は40年になります。
収穫は手詰みにて区画ごとに行われます。房選りで収穫したブドウは選果台でさらに選別され、足踏みで圧搾されます。棟ごとの醸造となり、開放型のタンクや、ナンブロ社の卵形のセメントタンクなどを併用しての醸しと発酵を約40日と長期間行います。熟成はキャンティ・クラッシコの場合は、卵形のセメントタンクやバリック、大樽の併用で18ヶ月ですが、このラ・ジョイアはフランス産のバリックで36ヶ月もの長期樽熟成が施されます。2015年の7月に瓶詰めされました。生産本数はフルボトルで7,000本とのこと。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
昔はもう少しカチっとしたフォントだったのですが、筆記体の丸文字になってやわらかな印象。ただし、ボトルは重量瓶で怒り肩。マッチョな瓶形に、ラベルも逆台形‥ながら丸文字っぽい筆記体はアンバランスだと思いますけどね。
コルクはまあまあの質の5cm、グラスはヴィノムもブルネッロ型です。表記のアルコール度数は14.5度となります。
そのCCの最新2013年は華麗にスルーとなりましたが、この2011年のラ・ジオイアは生産者来日の際にテイスティングしており、すでに採用は決定済。ながら、「今」を「一本通し」て飲むのは使命。
しっかりと深みがありますが、真っ黒というわけではない赤。リエチネらしいフレンチバリックの樽香。いい意味でトスカーナIGTらしさある樽香。でも36ヶ月も樽熟成させたとは思えない樽香で過剰さはない。キレイなスミレと完熟のチェリー、黒いベリーの果実は大小様々。香りに閉じは感じないが丸く落ち着いた印象。
口に含みますとカシスやブラックベリーの果実味の輪郭が甘味があり丸い。酸味も渋味も角が取れてすべすべ。一杯目から旨味とつゆだくジューシーさを感じるのはリエチネの特徴のひとつ。
旨いね。間違いなく旨い。
CCと比較すると明らかに密度に違いがある。トスカーナIGTらしい濃密さ。でも14.5度のアルコールは感じさせないね。ちっとも暑苦しくはない。樽の要素にローストをあまり感じないのもいい。完璧に果実の香味が主体で、ピュア。汚れが無い。濃さに品を感じる。
いわゆるスーパータスカン(ただしサンジョヴェーゼ100%)に、ヴィノムのブルネッログラスもいいですね。口径が広いのがほんといい。ただ、この酒質ならブルゴーニュ型グラスもいいと思うんだけどな。
十分な濃さを感じるが飲み疲れがない。気温も上がってきたのでさぞ濃いワインはしんどいかも?と、思っていたのだけれども。
余韻も素晴らしく長い。少し硬質な鉛筆、カーボンを感じる。良質な酸味に少しのスパイスのヒント。生産者の資料には"Poeony(しゃくやく)"の記載があるがしゃくやくはわからない。ボタン科のようだが‥確かにバラではないんだな。あくまでもスミレがベース。
牛肉でも豚肉でも‥な、肉が欲しい感ありあり。そこにオリーブオイルやローズマリー、タイムなどの緑の要素が入るとグンとワインに近づく。サンジョヴェーゼ(イタリアワイン)には、赤ワインだけれども赤ばっかりじゃない。そこに隠れる未熟ではない緑の要素に合わせるように香草、ハーブがある。脇を固めるアッビナメント。
とても美味しい。
すでに合格点に達しているが、まだ荒削りな部分もある。そこは醸造家であるショーンの課題。今後もブレずにラ・ジオイアらしさ、アベレージの品質を守れるか‥まだまだ彼は若い、だから期待する。
ここまで実は一杯目。二杯目からが本番と思いつつも、どの毒味もファーストアタックである一杯目の感想が長いのは内緒。
うーん、二杯目もまとまり感たるや‥。サンジョヴェーゼ100%のワインはこうでなくっちゃ‥と思えるエレガントさもある。ただただ濃いワインじゃない。酸の質の高さもいい。樽使い、上手なのよね。フレンチバリックで36ヶ月なわけだけど、新樽比率はきっと低いんだろうと思うよ。
とはいえ、樽香にクリーミーさがある。それはやはりヴァニラのニュアンスだし、そこはフレンチバリックの特徴かもしれない。
二日目もヴィノムのブルネッロ型。初日同様のフレンチオークのバリック香、その白いヴァニラの香りのなかに白いミントの爽やかさ。十分に熟した果実の香り、口に含むとさらなる輪郭のやわらかさ、まさにこれぞベルベッティ。
十分な密度は濃さを感じさせるのだけれども、重すぎないんだよなあ。重すぎない‥でもフルボディ‥そう密度の問題なのだ。
上品な重さ、上品な密度。旨味も洗練されていますね。
ん、どこか柑橘、酸味ではない、柑橘ピールのようなフレーバーがある?このワインの外交的、溌剌とした要素のひとつ。アルコールの揮発、ハーブの緑または青い揮発同様で、赤ワインとはいえ、黄の柑橘のほとばしる揮発感。
三日目もヴィノムのブルネッロ型。昼間は30度近くになったので重い赤は食傷気味ではあるが、日が沈むと逆に涼しく感じますね‥ムンとした湿度の高い暑さではないのでセラーの温度が心地よい。
スミレと少しのバラ、果実香も華やかで解き放たれたように開いています。樽香も元気ですが、果実との馴染みの面積が増えました。口に含みますと、うん、重々しくない。密度は高いけどね。やっぱりフルボディなんだけれども飲みやすい。
旨味も豊富、ジューシーですね。ペルカルロやペルゴレ・トルテとはまた違うサンジョヴェーゼ100%のおいしさがあります。試飲時には、同じ2011年のリエチネのリエチネ(販売済)との比較もあったのですが個人的にはラ・ジオイアの方が好みだったんですよね。トスカーナIGTらしいスーパー感があるのよね。
間違いなく旨いサンジョヴェーゼです!
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